トルコ:雪の降る地震被災地で支援物資の配付を続けています
昨年10月に地震に見舞われたトルコ東部の被災地は真冬を迎え、どこも一面の雪景色です。仮設住宅の設置はまだ進んでおらず、多くの方々がテントや仮小屋で過ごしています。
難民を助ける会の緊急支援チーム3名(大西清人、川畑嘉文、藤本矩大)は、ワン市周辺の村々で、食料(小麦粉と食料油)や生活必需品(下着、石けん、タオル、ハンドクリーム、生理用品など)を各世帯に配付しています。また、三谷産業株式会社(石川県金沢市)からご寄贈いただいた防寒アルミシート2,000枚も合わせて配っており、寒さの厳しい被災地で寝具や敷物として活用されています。1月22日から1月28日までに、合計16の村で約860世帯に支援物資の配付を行いました。
「仮設住宅には入れましたが、生活は厳しいです」
エセンプナル村のレイス・ユルマズさん(38歳)に、地震とその後の生活について伺いました。「あのような大きな地震は生まれて初めて。恐怖の一言でした。現在の仮設住宅での生活は、震災直後のテント生活に比べれば快適です。でも、政府からもらった食料等の支援は十分ではありません。今回難民を助ける会からいただいた小麦粉は、パンを焼くのに使わせていただきます。遠い国からはるばる支援に来てくださってありがとうございます。」また、防寒用のアルミシートについては、「今まで見たことのないシートで、本当に暖かそう。」と語り、子どもたちはさっそくシートにくるまって笑顔を見せました。
1世帯あたりの配付物資 |
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食料:小麦粉(50キロ)、食料油(10リットル) 生活用品:防寒アルミシート2枚、石けん(700g)、洗剤(3kg)、ハンドクリーム(100g入り)2個、タオル(大1枚、小2枚)、下着セット(成人男性用2セット、成人女性用2セット、男児用2セット、女児用2セット)、女性用生理用品2パック、バケツ1個 |
パン焼き小屋の設置も進めています
被災地ではパン焼き小屋の設置も進めています。この地域ではナンと呼ばれる小麦粉のパンが主食で、たいていの家庭にパンを焼くためのかまどがありました。しかし地震で多くの家庭がかまどを失いました。今はお店でパンを買ってこなくてはならず、家計の負担になっています。
そこで難民を助ける会では、被災地の村に共同で使えるパン焼き小屋を設置しています。ワン市内で組み立てた小屋を各村まで運び、村人全員が使いやすい場所に据え付けます。小屋の中の地面に穴を掘り、焼きものの窯を埋め込むと、そこでパンが焼けるようになります。1月28日までに4村で17件の小屋の設置が終わり、近日中に窯も届ける予定です。
難民を助ける会では、引き続き被災地での支援活動を進めてまいります。現在は、被災地の児童・園児に冬服やかばん、靴を配付する準備を行っています。皆さまのあたたかいご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
※この活動は、皆さまからのご寄付に加え、ジャパン・プラットフォームの助成を受けて実施しています。
【報告者】 記事掲載時のプロフィールです
東京事務局 藤本 矩大(ふじもと のりひろ)
2011年11月より東京事務局勤務。民間企業に3年半勤務した後、約半年間ニュージーランドに留学。その後、人材コンサルタント会社勤務を経て、人に貢献できる仕事がしたいと難民を助ける会へ。