トルコ:子どもたちに防寒具を配付しました
難民を助ける会はトルコ東部の地震被災地で緊急支援活動を続けています。2月6日から2月13日にかけて、被災地の12の村の幼稚園および小学校で、約1,000人の子どもたちに、防寒ブーツ、ジャケット、かばんを配付しました。
雪の中を暖かく通学できるように
雪に覆われた地震被災地の村々は、標高1,700メートル前後に位置しており、日中でも氷点下の日が続きます。支援活動を続ける中で、セーター1枚や底の取れかかった靴で登校する子どもたちをよく見かけました。このあたりの村々は都市部と比べて決して裕福とは言えません。また、10人兄弟も珍しくない土地なので、靴は1足をずっとはいている、上着は誰かのお下がり、という子どもが多いのだそうです。地震で以前の校舎が使えなくなり、隣村の学校まで通わなくてはならない子もたくさんいます。子どもたちが少しでも暖かく通学できるよう、難民を助ける会では防寒ブーツとジャケット、通学かばんの支援を行うことを決めました。
2月13日は、ワン湖のほとりにあるバルダクチュ村の小学校で、約500人の子どもたちに防寒セットを配付しました。並んだ子どもに「靴のサイズは?」と聞いてみます。高学年の子は自分のサイズをちゃんと答えてくれるのですが、園児だと「わかんなーい」という子も。用意したブーツの中から合いそうなサイズを選んで、試着してもらいます。
はいてきた靴を脱いでもらうと、足が濡れていたり、靴下に大きな穴が開いている子どもも少なくありませんでした。しもやけになっていないか心配になります。新しい靴を渡すと、子どもたちはにっこり笑って、靴を抱きしめるようにして帰って行きました。
子どもたちの笑顔にこちらもうれしくなります
新しいジャケットを着た子どもに「ギュゼール!」(似合ってるよ!)と声をかけると、はにかんだ笑顔を見せてくれたり、「タンキュー!」と英語でお礼を言ってくれたり。もじもじしながら「ありがと」と日本語で言ってくれた子どももいました。サイズの確認は大変でしたが、「もうひとつ大きいのにしようか」「これでちょうどいいかな?」など、一人ひとりとふれあい、言葉を交わしながら手渡すことができました。暖かいジャケットとブーツで、子どもたちが元気に学校に通ってくれることを願います。
※この活動は、皆さまからのご寄付に加え、ジャパン・プラットフォームの助成を受けて実施しています。
【報告者】 記事掲載時のプロフィールです
東京事務局 近内 みゆき
難民を助ける会プログラム・コーディネーター。2011年10月より東京事務局勤務。大学時代に東西を結ぶ要衝に位置するトルコに興味を持ち、大学院ではトルコのEU加盟や移民問題などを学ぶとともに、トルコ、北キプロスで現地調査を行った。記者として新聞社に5年半勤務した後、難民を助ける会へ。(福島県出身)