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カンボジア:水害被災地で農業支援を行っています

2012年03月14日  カンボジア緊急支援
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野菜の種と農具を手渡す難民を助ける会の岡山典靖

野菜の種と農具を手渡しています。左は難民を助ける会の岡山典靖(シェムリアップ州、2012年2月13日)

2011年の夏から秋にかけて、カンボジアは甚大な洪水被害に見舞われました。難民を助ける会では、岡山典靖、園田知子の2名を派遣し、2011年11月から2012年1月の2ヵ月間、被害の大きかった首都プノンペン近郊とシェムリアップ州、コンポントム州の被災村で3,000世帯に、食料、生活必需品などの緊急支援物資の配付を行いました。昨年末には水が引き、直接的な水害の影響は見られなくなりましたが、農村では、11月から12月にかけて収穫予定であった稲が壊滅状態になり、野菜や家畜も深刻な被害を受けました。毎日の生活を借金で凌いでいる人も多く、被災者の生活は依然として厳しい状況です。

そこで現在は、生活再建を目的として、野菜の種と農具の配付、栽培研修を実施しています。支援の対象はシェムリアップ州内の6地域840世帯です。空芯菜やチンゲン菜、キュウリなど1~2ヵ月の短期間で収穫ができる野菜の種を配付し、その効率的かつ効果的な栽培方法を、実習を交えて指導しています。収穫できれば、食料を得ることができ、さらに販売すれば現金収入にもなります。受講者たちは非常に熱心に研修を受けています。

この支援は4月中旬まで実施する予定です。難民を助ける会の支援が少しでも被災者の方々の生活を取り戻すことにつながることを願いながら、活動を続けてまいります。

農業研修のようす

研修では、苗床の作り方や肥料の使い方など効率的な栽培方法を指導します(シェムリアップ州、2012年2月6日)

バナナの葉を使った育苗ポットの研修のようす

畑を使った実習中。野菜の種を植える準備をしています(シェムリアップ州、2012年2月9日)

研修に参加したオウン・モアさん

種と農具を受け取り、研修に参加したオウン・モアさん(61歳)。洪水により田畑が浸水し、米や野菜の収穫も出来ず、家畜も死んでしまったそうです。「今は野菜の栽培を少しずつ再開していますが、売るほどには収穫できず、日々の食料も充分ではありません」と話していました(シェムリアップ州、2012年2月7日)

手作りの育苗ポットで育った苗を前に、受益者と園田知子

手作りの育苗ポットに、ヘチマや冬瓜の苗が元気に根付きました。右は難民を助ける会の園田知子(シェムリアップ州、2012年3月5日)

※この活動は、皆さまからのご寄付に加え、ジャパン・プラットフォームの助成を受けて実施しています。

【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

東京事務局 園田知子

2011年5月より東京事務局にて海外事業を担当。大学卒業後、在外公館勤務を経て、イギリスの大学院で教育開発を学ぶ。その後、青年海外協力隊員としてカンボジアで2年間、途上国の学校運営に携わり、難民を助ける会へ。

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