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カンボジア:水害の被災地で野菜が育っています

2012年04月19日  カンボジア緊急支援
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野菜の種や農具を配付、農業指導も行っています

野菜の種を配付

洪水の被災者に野菜の種、肥料、農具などを配付しました(2012年2月14日、シェムリアップ市チュリュウ)

難民を助ける会は、昨年洪水被害のあったカンボジアで、食料や日用品を約3,000世帯に配付しました。その後も引き続いて、被災地の約840世帯を対象に農業支援を行っています。ヘチマ、空芯菜、インゲンなど、生長の早い野菜の種と、クワ、じょうろ、防虫ネットなどの農具、そして肥料や殺虫剤などを配付して、育てていた野菜を洪水で失った世帯が、再び農業を再開できることが目標です。また、配付と同時に、農法の指導も行いました。耕地の準備のしかた、肥料の使い方、支柱の立て方、害虫防除、水やりのしかたなど最新の農業技術を、現地の協力団体「HURREDO」の職員が講義と実習を交えて指導しています。

「洪水で野菜が取れなくなり、子どもの学費が払えませんでした」

子どもを背負いながら緑の芽を見せてくれるムン・ポーさんの奥さん

芽を出したナスを見せてくれたムン・ポーさんの奥さん(2012年3月12日)

シェムリアップ市サンブオのムン・ポーさん(男性・39歳)のところでは、洪水は昨年9月から11月まで続いたといいます。田んぼが1.2mくらいの深さまで浸水し、雨季に収獲する予定だった米がだめになりました。販売用に作っていた野菜畑も冠水し、収入源がなくなってしまいました。子どもたちの学費が払えず、洪水の間は学校に行かせることができなかったといいます。また、小さい子が水に落ちないかが心配の種だったそうです。

ムン・ポーさんは難民を助ける会の支援で2月に2日間の農業研修を受けました。その際に農具と一緒に受け取った野菜の種(空芯菜、チンゲンサイ、きゅうり、トウガン、ヘチマ、長インゲン、ナス)をさっそく育てています。難民を助ける会は3月12日にHURREDOの職員とともにポーさんのお宅を訪問して、苗の生長具合を確認し、害虫のこと、肥料のことなどについて相談に乗りました。

順調に育った野菜からすでに収入が

ヘチマを手に、ムン・ポーさん夫妻

実り始めたヘチマを手にするムン・ポーさん夫妻(2012年3月30日)

3月30日にムン・ポーさんを再度訪問したところ、空芯菜が30kg出荷できたとのことでした。売上は子どもの通学費に充てたそうです。他の野菜も順調に大きくなっていました。「いただいた肥料の効果でしょうか、今回は空芯菜の生長が早く、収獲まで1ヵ月ほどかかっていたのが半月ほどになりました。ヘチマもつるの伸びるのが早いです。」今回の農業支援を通じて、洪水の被害にあった方々が生活を再建していってくれればと願っています。

芽を出したトウガンを前に

ムン・ポーさん夫妻と東京事務局の山本祐一郎(左端)。トウガンも順調に育っています(2012年3月30日)

農業研修に集まった人々

農業研修の様子。HURREDOの講師(中央奥)が講義と実習を交えて最新の農法を指導します(2012年2月17日、シェムリアップ市サンブオ)

チンゲンサイの畑で

研修を受けた人たちの家を訪問し、野菜の生育状況を確認しています。左端は東京事務局の園田知子、その右はHURREDOの職員(2012年3月27日、シェムリアップ市チュリュウ)

実り始めたヘチマを手に微笑む少女

ヘチマ、どこまで大きくなるかな?(2012年3月27日、シェムリアップ市チュリュウ)

※この活動は、皆さまからのご寄付に加え、ジャパン・プラットフォームの助成を受けて実施しています。

【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

東京事務局 山本 祐一郎

2011年11月より東京事務局で勤務。米国の大学を卒業後、英国の大学院、インドネシアでの教育コンサルタントなどを経て、東日本大震災をきっかけに、難民を助ける会へ。

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