シリア:祖国を離れた避難民への支援をトルコで進めています
大西、川畑による活動報告会を開催します
戦火を避けて、親戚宅やテントで暮らすシリアの人々
自由シリア軍とシリア国軍の戦闘が激しさを増すシリアからは、30万人を超える人々が戦火を逃れて国外に避難しています。AAR Japan [難民を助ける会]は東京事務局から大西清人と川畑嘉文の2名をトルコに派遣し、避難民キャンプの外で暮らすシリア避難民への支援を進めています。
トルコ政府は国内14ヵ所に避難民キャンプを設置し、10万人近い避難民をすでに受け入れています。しかし、キャンプでは家族がばらばらになってしまうのではないか、戦闘に加担させられるのではないか、といった不安から親戚宅や郊外のテントで暮らしているシリア避難民がこれ以外に数千人から数万人いるといわれています。こういった人々は、日々の食事や医療、教育について公的な支援を受けることができずに、厳しい生活を強いられています。
食料や生活必需品の配付を進めています
AARはトルコ国内で、キャンプ外で暮らすシリア避難民の世帯およびトルコ人の受け入れ世帯を対象に、支援物資の配付を10月9日から実施しています。9日に実施した21世帯への配付に続き、10月10日、トルコ南部ハタイ県の6つの村と市街地で、計53世帯に支援物資を届けました。支援物資は小麦、豆、砂糖などの食料品と、石けん、タオル、おむつなどの生活必需品です。今回支援物資を届けた集落の一つは、シリアとの国境近くに広がる綿花畑の中にある集落でした。約20世帯がテントで暮らしており、ほぼ全員がシリアのアレッポから避難してきています。物資の包みを受け取ったシリア避難民の方々は、口ぐちに感謝の言葉を伝えてくれました。
AARでは引き続きトルコのキャンプ外で暮らすシリア避難民のために支援物資の配付を進めてまいります。皆さまのあたたかいご支援を、どうぞよろしくお願いいたします。
※シリアの政治情況に鑑み、登場する避難民の方々やその関係者に不利益の生じないよう、仮名を使うとともに、活動地域の詳細を伏せています。
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【報告者】 記事掲載時のプロフィールです
東京事務局 大西 清人
AAR Japan 事務局次長。1989年から2年間、在トルコ日本国大使館に勤務。2004年から2年間、アフガニスタンに駐在し、地雷対策活動に従事。パキスタン大地震(2005)、レバノン空爆(2006)、フィリピン台風(2009)、パキスタン洪水(2010)、ハイチ大地震(2010)、トルコ地震(2011)で緊急支援を担当。(広島県出身)