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シリア:トルコで避難民への支援を継続しています

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情勢不安が続くシリアからは、国外に避難する人があとを絶ちません。トルコへの避難民は、トルコ政府が運営するキャンプ内で12万人を超え、キャンプの外で暮らす人々も数万人に達しています。

AAR Japan[難民を助ける会]はトルコ南部のハタイ県に再び職員3名を派遣し、キャンプ外で生活するシリア避難民に、食料と生活必需品の配付を行っています。10月に行った150世帯への物資配付に続き、11月17日から23日までに計184世帯に支援物資を届けました。故郷を離れ、仕事を失った避難民の家族に、食料や生活必需品が大変喜ばれています。

徒歩で国境の山を越え、トルコへ逃れてきた家族

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トルコ・ハタイ県の村に逃れてきたバフリイェさん(2012年11月18日)

11月18日にAARが調査で訪れたトルコ・ハタイ県の村では、シリア側から砲撃の音が断続的に聞こえてきます。ここに住んでいるバフリイェさん(仮名、女性、42歳)は故郷での激しい戦闘で家を失い、1ヵ月前に家族6人で徒歩で国境の山を越え、シリアからトルコに逃れてきました。3部屋しかない民家で他の3家族とともに暮らしています。「難民キャンプに入りたいけれど、人がいっぱいで私たちは入ることができないのです。キャンプまで毎日1時間かけて歩いていき、余った食料をもらっています。仕事のない私たちにとって、キャンプでもらえる食料がたった一つの支えなのです」

「こんな状況でいったい何を期待すれば」

アレッポから逃れてきた一家の話を聞く東京事務局の景平義文

避難生活の状況について話してくれたアレッポ出身の男性。右端は東京事務局の景平義文(2012年11月19日)

右写真中央の男性は、シリア北部の都市アレッポで仕立屋を営んでいましたが、2年ほど前に突然目が見えなくなりました。視力を失ってからは、奥さんと一緒に道端で食料などを売って暮らしてきましたが、アレッポでの戦闘が激しくなり、15日ほど前にトルコに逃げてきたそうです。キャンプにも入れず、街中の長距離バスターミナルで寝ていたところ、親切な地元の人がこの民家に連れてきてくれました。奥さんが皿洗いの仕事を見つけて働いています。子どもたちの未来について訊きましたが、「こんな状況でいったい何を期待してよいのやら」と、涙ぐんでいました。

AARは現地協力団体のSTL(Support To Life)とともに、12月末までに計300世帯に配付を行い、その後もシリア避難民への支援を継続していきます。皆さまのあたたかいご支援を、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

バフリイェさん一家が暮らす部屋

バフリイェさんが身を寄せる家では、3部屋に4家族14人が暮らしています(2012年11月18日)

東京事務局の景平義文から支援物資を受け取る子どもたち

上写真の家族にも支援物資を届けました(2012年11月19日)

食料と生活必需品の配付の様子

キャンプ外で暮らす避難民には公的な支援はありません(2012年11月20日)

支援物資の牛乳を受け取る女の子と東京事務局の景平義文

シリア避難民の女の子に牛乳を手渡す東京事務局の景平義文(2012年11月17日)

1世帯当たりの配付物資
食料:小麦粉10kg、ひまわり油1リットル、トマトペースト缶2kg、ブルグル(挽き割り小麦)2kg、米5kg、塩750g、砂糖2kg、マカロニ2kg、ヒヨコ豆2kg、レンズ豆2kg、牛乳(常温保存可能なもの)6リットル
生活必需品:タオル4枚、石けん1kg、洗剤1kg、シャンプー1本、紙おむつ(24枚入り)2パック、女性用生理用品(40個入り)4パック、バケツ1個

※シリアの政治情況に鑑み、登場する避難民の方々やその関係者に不利益の生じないよう、仮名を使うとともに、活動地域の詳細を伏せています。

緊急募金にご協力ください

募金の受付を開始しました。どうぞご協力をお願いいたします。

郵便振替: 00100-9-600 加入者名: 難民を助ける会
  • 通信欄に「シリア」とご記入ください。
  • 領収証が必要な方はその旨お書きください。

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【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

東京事務局 景平 義文

2012年11月より東京事務局でシリア、南スーダン事業を担当。大学院卒業後、ケニアでのNGO勤務を経てAARへ。大阪府出身

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