東日本大震災:福島県の子どもたちに安全な水と給食を
福島第一原子力発電所の事故により、放射線量が高い地域では、子どもたちが口にする飲料水や食べ物の安全性が心配されています。
福島県の多くの保育所では、放射性物質の子どもたちへの影響を懸念し、飲み水には市販のミネラルウォーターを使っています。自治体から飲料水の支援を受けている市町村もありますが、定期的な配付ではなく、量も限られているため、毎日の給食やおやつ、ミルクや飲み水に使う十分な量を確保できていませんでした。そこでAAR Japan[難民を助ける会]はミネラルウォーターの提供やウォーターサーバーの設置を行い、これまでに相馬市、南相馬市、伊達市にある幼稚園・保育園など、計9ヵ所に16,480リットルの飲料水を届けました。
長期保存のできるレトルトカレー4,385食を16校に
福島県内の小中学校では、学校給食に使う食材の放射能測定を調理前に行い、基準値以上の測定結果が出た場合は、予定していたおかずの提供を中止するようにしています。給食を万が一提供できない場合に備え、AARは2012年6月より長期保存のできるレトルトカレーの支援を行っています。これまでに相馬市、南相馬市にある小中学校、保育園計16校に、4,385食分のカレーを届けました。
相馬市立日立木小学校ではAARが支援したレトルトカレーを活用する機会があったため、今年3月に135食を再度提供しました。林宗一郎校長先生からは「子どもたちが大好きなカレーを学校に備蓄できるということは、大変心強くありがたいです」との感謝の言葉をいただきました。また、このレトルトカレーは南相馬市にある障がい者福祉作業所「ほっと悠」から購入し、障がいのある方々の就労支援の一助となりました。
※この活動は、皆さまからのあたたかいご寄付に加え、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社、GlobalGiving、国際ICよつ葉会、ROLEX SAからのご支援で実施しています。
【報告者】 記事掲載時のプロフィールです
東京事務局 宮崎 佐和子
東京事務局で福島支援事業を担当。東日本大震災後、支援活動に携わるためAARでのインターンを経て、2012年2月より職員として勤務(東京都出身)