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ミャンマー洪水緊急支援:「こんな遠くまで来てくれてありがとう」

2013年10月22日  ミャンマー緊急支援
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水害の被災地で農業の再開を支援しました

青が事務所のあるパアン、青が今回物資配付を行ったラインブエ地区

2013年7月から8月にかけて、ミャンマー(ビルマ)南東部では断続的に大雨が降り、各地で洪水が発生しました。ミャンマー全体で、避難者数は一時48,000人に上り、280平方キロメートルの農地が浸水あるいは壊滅しました。被災地の水は8月末までに引きましたが、農作物や家畜を失った被災者の今後の生計支援が課題となっています。

AARはミャンマー・パアン事務所を拠点に、特に被害の大きかった同国南東部のカレン州で、緊急支援を行いました。2013年8月29日に3村241世帯に、9月3日には4村の234世帯に、支援物資を配付しました。一般世帯には米や衛生用品などを、農家には、今後の農作業が再開できるように肥料と農機具用の燃料を、それぞれ届けました。

2013年9月26日と27日にも、カレン州ラインブエ地区で12村230世帯の農家に、肥料とディーゼル燃料を配付しました。支援物資を受けとった方々からは、日本の人たちへの感謝の声を多数いただきました。みなさまのご支援に心より御礼申し上げます。

「私の知る一番大きな洪水でした」ドゥ・パ・ヨンさん
ドゥ・パ・ヨンさん

ドゥ・パ・ヨンさん(左、70歳)

このあたりでは毎年洪水が起こるのですが、普段はそれほど大きな被害は受けません。でも今年の洪水は、今70歳の私が物心ついてからいちばん大きなものでした。午後から夕方にかけて水嵩が増し、夜になって一気に2階まで水が迫ってきました。身の回りの物を水につからないところに移動させる時間がありませんでした。真っ暗な中、雨はずっと降っているし、ゴーゴーと水の音がすごくてとても怖かったです。

もともと貧しい暮らしなので、特に大事なものもないのですが、生活の糧である稲が洪水でだめになってしまったのが一番大きな被害です。何とかもう一度植え直して収穫できるまでに育てなくてはなりません。それには肥料と灌漑用ポンプを動かすディーゼル燃料が必要なので、AARの支援は本当にありがたいです。それに、ボートを乗りついで、こんな田舎まで直接励ましに来てくれました。稲がだめになったり、水浸しになった家の床を直さなくてはいけなくて、気落ちしていたので、元気づけてもらえてうれしかったです。AARと、支援してくださった日本のみなさんに感謝しています。

「こんなところまで来てくれるなんてびっくりしました」ドゥ・ノットさん
ドゥ・ノットさん

ドゥ・ノットさん(左、50歳)

今年の洪水は水嵩がずいぶん高くなり、浸水が始まったので、家族みなで家財道具を小舟にのせて、お寺に運びました。村の子どもたちや女性もお寺に避難し、お寺は家財道具と人でごったがえしていました。食料と水が十分になくて心細かったです。

身の回りの物に被害はなかったのですが、稲がめちゃめちゃになってしまいました。それに、洪水で汚くなった水を、不衛生だとはわかっていますが使わないといけません。子どもたちが体調を悪くしないか心配です。

いつもの年では洪水があっても、村のどこかの農家で種モミが残っていて、お互いに融通して植え直し、また稲づくりができるのですが、今年の洪水ではどこの農家でもモミが流されてしまって、植え直すモミにも困りました。州政府が少ないですが種モミを配ってくれています。ですが、肥料や灌漑用の燃料は自分たちで何とかしないといけないので、AARの支援は本当に助かります。今日はAARの人たちが村の近くまで来てくれて肥料と燃料を配ってくれるというので、孫も連れてきました。こんなところまで来てくれるなんてとびっくりしましたよ。パアンから車と舟をのりついできてくれたんですね。ありがとうございます。

支援物資を前に笑顔を見せる夫婦と子ども

肥料(白い袋)と灌漑機用の燃料(黄色い容器)を受け取った農家の家族(2013年10月2日)

支援物資を受け取った人々

支援物資を受け取りに集まった被災地の方々。前列右端と後列左端はAARパアン事務所の現地職員(2013年10月2日)

【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

ミャンマー・パアン事務所 角田由美子

2013年8月よりミャンマー・パアン事務所駐在。国内のベンチャー企業やカンボジアでの銀行勤務を経てAARへ。兵庫県出身

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