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フィリピン台風緊急支援:被災した家の建て直しを支援しています

2013年12月18日  フィリピン緊急支援
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障がい者・高齢者の世帯にトタン板、合板と大工道具を配付しました

大きな合板を持つAARスタッフと受け取りに来た被災者の方

合板を渡すAARの藤本矩大(右、2013年12月14日、セブ州サン・レミジオ)

2013年11月8日にフィリピンを襲い、甚大な被害をもたらした台風30号(台風ハイエン、現地名ヨランダ)。フィリピン政府によると、この台風による死者は12月16日時点で6,069人、行方不明者は1,779人にのぼります。被災した家屋は114万棟以上となりました。

AARは11月14日に職員2名を被災地に派遣し、緊急支援を進めてきました。12月14日と15日には、セブ島北部のサン・レミジオ町で、障がい者や高齢者のいる57世帯に、家屋の修繕に必要なトタン板や工具を届けました。家族や近所の人たちが手を貸して、家の修理がこれから行われていきます。

配付物資(1世帯あたり):トタン板6枚、合板6枚、釘1.5キロ、金づち1丁、のこぎり1本

支援物資を受け取って記念写真

家の修繕資材を受け取った女性(写真中央)と。黒いTシャツは協力団体GVSPのスタッフ(2013年12月14日)

支援物資1セット

今回配付した支援物資一式。壁用の合板、屋根用のトタン板と、釘、大工道具です(2013年12月14日)

「思い出のつまった家は吹き飛ばされました」

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倒れた電柱を乗り越えて合板とトタン板を運ぶ(2013年12月14日)

台風で家が半壊した同町の暮らすロレンド・アルメンドラスさん(48歳)は2歳の時にかかったポリオの影響で脚に障がいがあります。車いすはありますが非常に重く、お兄さんに押してもらわないと動けません。

台風30号がこの地を襲ったとき、ロレンドさんは村のデイケアセンターに避難していました。台風が去った後、たくさんの思い出がつまった家は吹き飛ばされ、深い悲しみとやり場のない怒りを覚えたといいます。お兄さんが自宅を何とか住める程度に直してくれている2週間の間、ロレンドさんはデイケアセンターで過ごしました。

AARから支援物資を受け取ったロレンドさんは、「これまで食料の配付などはあったけれど、トタン板などの支援は初めて。これで家の中が雨で水びたしになることもなくなる。本当にありがとう」と力強く私の手を握りしめてくれました。

笑顔でAARスタッフの手を握るロレンドさん

感謝を込めて力強く手を握ってくれたロレンドさん(左)。現在の自宅は竹の柱にビニールシートを渡しただけです。右はAARの藤本矩大(2013年12月14日)

「最初の一歩を踏み出すことができます」

屋外で話を聞く

マリエラさん一家に台風当時の話を聞くAARの藤本矩大(左)。自宅は写真左後ろに建っていたそうだがあとかたもない(2013年12月14日)

同じくサン・レミジオのルヤン地区に住むマリエラ・キナポンダーさん(45歳)は、15歳の娘さんと生まれつき目と足に障がいを持つ8歳の息子さんと三人で、木造の質素な家で暮らしていました。台風の間は近所にある姉の家に避難していましたが、風が落ち着き外に出てみると、自宅は完全に倒壊していました。悲しみに包まれ、しばらくは何も手につかなかったと言います。

今は子どもたちと一緒にがんばって家を建て直そうと考えています。「トタン板や合板の支援は、家を建て直すのにとても役立ちます。これで最初の一歩を踏み出すことができます。本当にありがとうございます」と私の目を見つめて言ってくれました。

AARは今後もセブ州北部とレイテ州の被災地で、家の修繕用資材を配付するとともに、障がいのある方々の被災状況を調査し、必要な支援を行ってまいります。

緊急募金にご協力ください

皆さまからのご寄付を受け付けています。どうぞご協力をお願いいたします。

郵便振替: 00100-9-600 加入者名: 難民を助ける会
*通信欄に「フィリピン台風」とご記入ください。*領収証が必要な方はその旨お書きください。

寄せ集めの材料で作られた小屋

自宅を台風で失い、現在は一畳もない小屋に暮らす盲目のマリア・プレスシアスさん(50歳・女性)。AARから受け取った材料を使って、お姉さんが家を修理してくれる予定です(2013年12月14日)

【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

東京事務局 藤本 矩大(のりひろ)

2011年11月より東京事務局で南スーダンや東北の事業を担当。民間企業に3年半勤務した後、約半年間ニュージーランドに留学。その後、人材コンサルタント会社勤務を経て、人に貢献できる仕事がしたいとAARへ。2012年トルコ地震被災地復興支援に従事。

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