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東日本大震災:「やっぱり民謡」!江戸家猫八さんらが福島で巡回公演

2013年12月24日  日本緊急支援
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宮城・岩手に引き続き、福島で民謡巡回公演

南一丁目仮設住宅集会所

1日に4ヵ所から5ヵ所を回り、民謡公演を行いました。前列左が江戸家猫八さん(2013年10月23日、南一丁目仮設住宅)

動物の物まねで知られる演芸家の四代目江戸家猫八さんと民謡歌手の皆さまによる「民謡人震災復興支援有志の会」は被災した方々を元気づけようと、AARと一緒に2012年12月に岩手県、2013年1月に宮城県、2月、6月に福島県の仮設住宅や公民館で、巡回公演を行ってきました。2013年10月と11月には、福島第一原子力発電所の事故の影響で故郷を離れている方々のため、福島の内陸部で巡回公演を行いました。

「今日のことを思い出してがんばっていくわ」

鈴木正夫さん

相馬出身の民謡歌手・鈴木正夫さんが歌う「新相馬節」に涙ぐむ方も(2013年10月23日、おだがいさまセンター)

10月は福島県の郡山市・三春町・本宮市・二本松市で11ヵ所、11月にはいわき市で10ヵ所の会場を回り、 合計700人もの方々が集まってくださいました。どの会場でも、私たちが到着するよりも前から大勢の方が楽しみに待っていてくださり、マイクや楽器をセッティングする場所が無いほどでした。

最初は少し緊張しているように見えたお客さまも、いつの間にか猫八さんのお話に大声で笑ったり、民謡を口ずさんだりしていて、とても楽しそうに過ごしていらっしゃいました。福島県内陸部の仮設住宅に避難している、沿岸部の富岡町や原ノ町出身の方にとっては、相馬の民謡は特別です。相馬出身の民謡歌手、鈴木正夫さんの登場に湧き、リクエストでは「二編返し」「流れ山」「馬子唄」など相馬の唄が続きます。最後の曲「相馬盆歌」では、唄にあわせて一緒に踊りだす方もいらっしゃいました。

原発事故の影響で避難している方々は、津波被害とは違い、家は残っているのに帰れないというストレスと、先の生活が見えない不安を抱えています。いわき市の上神白団地での公演に来てくださった大熊町出身の古川さん(女性、84歳)は、「今日はこんなに近くで江戸家猫八さんや鈴木正夫さんを見られて、それだけで元気をもらえました。これから何年こういう生活が続くか分からないけど、今日のことを思い出してがんばっていくわ」と笑顔で話してくださいました。

好間第二仮設住宅での集合写真

集会所の外まで見送りに来てくださった皆さんと(2013年11月11日、好間第二仮設住宅)

狐田仮設住宅 公演後

「相馬流山が素晴らしかった。故郷の歌を聴くと元気が出ます」。右は相馬事務所の小杉穂高(2013年10月24日、狐田仮設住宅)

公演後は皆さん、晴れ晴れとした表情で、私たちの車を見送ってくださいました。その光景を見るたび、仮設住宅で暮らす人たちにとって、大声で笑ったり、歌うことのできる時間が、すごく大切なのだと感じます。この公演が、一時でも避難生活の苦労を忘れ、ストレスを発散し、これからもがんばっていく力が湧くきっかけになって欲しいと思います。

最後になりましたが、この最高の空間を作るために、毎回東北各地に足を運んでくださる猫八さんと民謡歌手の皆さまに、感謝を申し上げます。

手拍子する皆さん

手拍子しながら笑顔がはじけます(2013年10月24日、斉藤里内仮設住宅)

客席からのリクエスト

「さんさしぐれ!」明るいリクエストの声が響きます。中央は江戸家猫八さん(2013年10月25日、杉内多目的運動広場)

相馬盆唄

懐かしい「相馬盆唄」に、一緒に踊ってくださる方もいらっしゃいました(2013年11月13日、高久第五仮設住宅)

高久第十仮設住宅

10畳ほどの集会場に、45名もの方が集まってくださいました。「今日は日ごろのストレスを忘れられて、最高でした!」(2013年11月12日、高久第十仮設住宅)

※2013年10月・11月に行った巡回公演は、皆様からのご寄付に加え、GlobalGivingの助成を受けて実施しました。

【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

相馬事務所 小杉 穂高(こすぎ ほだか)

大学在学中にボランティアを通じて途上国の問題に関心を抱く。官公庁に勤務後、バングラデシュのNGOでのインターンを経て、オーストラリアの大学院で開発を学ぶ。東日本大震災をきっかけに、2012年7月よりAARへ。宮城県出身

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