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フィリピン台風緊急支援:障がい者の働く場を取り戻す

2014年01月16日  フィリピン緊急支援
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2013年11月8日、猛烈な台風30号に襲われたフィリピン。AAR Japan[難民を助ける会]は11月14日から職員を現地に派遣し、食料の配付や、自宅を建て直すための資材の提供などを実施してきました。現在も、職員2名がセブ州セブ市を拠点としながら、復興支援活動を続けています。

障がい者の働く家具工房が水没

レイテ島北東部、タクロバン市にある「タクロバン障がい者協同組合」(Tacloban People with Disabilities Cooperative: TAPDICO)は、台風30号により甚大な被害を受けた施設の一つです。障がい者の自立を目的とするこの組合は、タクロバンの小高い丘の中腹に小さな家具工房を持ち、小学校の机やいすなどの家具を製作していました。従業員35人のうち、約8割は障がい当事者です。

台風の当日、山の上から大量の雨水が流れ込み、工房は水没。家具製作に使っていた機械が故障し、材料もその多くが使えなくなってしまいました。

被災した工房の内部

家具の材料となる鉄パイプ(右後)もさびてしまいました。右は組合代表のジェマリンさん、左はAARの岡山典靖(2013年12月22日)

工房の外側

工房は一部の屋根が飛び、機械類の多くが水没して使えなくなってしまいました。被害状況を確認するAARの広谷樹里(2013年12月22日)

「ありがとう、これで工房を再開できます」

AAR Japan[難民を助ける会]は工房の支援を決定。2013年12月29日に、机・いすの製作に不可欠な機械4点(コンプレッサー〈空気を圧縮して工具の動力にします〉、溶接機、モーター、電動のこぎり)と、当面の注文品の製作に必要な木材などを支援しました。代表のジェマリンさんは、台風の後、工房を閉鎖してマニラに来ないかという話も受けたそうですが、やはりこの工房を存続させたいと考え、再開の道を探していたといいます。「皆さんの支援に大変感謝しています」と話してくれました。

機械の贈呈式

新しい機械が届き、工房がまた動き出します。左端はAARの岡山典靖。中央、オレンジ色の服の女性が代表のジェマリンさん、右2人は組合の従業員。機械は左から、コンプレッサー、モーター、切断機、溶接機(2013年12月29日)

切断機で鉄パイプを切る。火花が上がる

提供した機械を使って作業が始まっています。切断機で鉄パイプを切る工房のスタッフ(2014年1月14日)

完成したいすと工房のスタッフ

このような学校用のいすを作っています。中央奥は提供した溶接機(2014年1月14日)

AARでは、引き続き、レイテ島とセブ島の北部において、障がいのある方々を中心に、住居の修繕資材の配付などの支援を続けてまいります。

緊急募金にご協力ください

皆さまからのご寄付を受け付けています。どうぞご協力をお願いいたします。

郵便振替: 00100-9-600 加入者名: 難民を助ける会
*通信欄に「フィリピン台風」とご記入ください。*領収証が必要な方はその旨お書きください。

【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

東京事務局 広谷 樹里

大学卒業後、アフリカのケニアでNGOのインターンとして活動。企業勤務を経て2009年1月よりAARへ。2009年9月のフィリピン台風緊急支援に参加。2012年6月から2013年9月まで南スーダンに駐在。現在は東京事務局にてフィリピン、ケニア事業を担当。(神奈川県出身)

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