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南スーダン緊急支援:「とにかく学校に行きたい」教育は難民キャンプの希望

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2013年12月からの戦闘により混乱が続く南スーダンから逃げ出した人々が、続々と隣国ケニアのカクマ難民キャンプに集まっています。AARでは緊急支援を行うため、2月3日より南スーダン駐在員の梅田直希と土川大城が現地入りして調査を続けています。増え続ける難民に対して、キャンプ内では圧倒的に水が不足しています。子どもたちへの教育環境の未整備という課題も見えてきました。最新の状況を土川大城が報告します。

増え続ける難民。でも学校が足りません

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学校用に使われているテントは全部で5つ。そこで学べる子どもの数も限界に近づいています(ケニア・カクマ難民キャンプ、2014年2月4日)

1992年に設立されたケニアのカクマ難民キャンプには、南スーダンからの難民をはじめ、ソマリア、エチオピア、ブルンジなど隣国からの難民約10万人が生活しています。祖国に帰れないままの難民も多く、キャンプ内にはこうした難民の子どもたちのために学校も運営されています。キャンプ内の学校は、幼稚園が6つ、小学校が17校、中学校が5校。しかし、今回南スーダンからの新たな難民の流入を受け、学校が大変不足しています。

こうした状況を受けて、国際NGOのLWF(ルーテル世界連盟)がカクマ難民キャンプに学校を新設しました。2月3日に開校したばかりのこの学校は、UNICEF(国連児童基金)提供の5つのテントで、幼稚園から小学校3年生まで約1,700人が勉強しています。けれども机もいすもなく、あるのはござのみ。児童数は今後も増える見込みですが、すでに受け入れ可能人数の限界に近く、4年生以上の子どもたちを受け入れられない状況です。

増え続ける子どもたちのためにさらに学校が求められています。それには強度のあるテントや机、いすなどが必要です。現在学校用に使用しているテントは風が吹くたび側面がめくれてしまい、教室の中に多量の砂が入ってきていました。黒板も教科書もない中で、それでも子どもたちは一生懸命学ぼうとしています。

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新たにできた学校の先生たちは17人。いずれも難民で、元教師など教育熱心な人々がボランティアで教えています(右端はAARの土川大城。2014年2月4日 ケニア・カクマ難民キャンプ)

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何もない「学校」テントに集まる子どもたち。いすも机もない中で授業を受けています(ケニア・カクマ難民キャンプ、2014年2月4日)

日常を突然奪われた若者たちにも学ぶ場を

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授業が終わり、AAR梅田直希(右)の周りに集まる子どもたち(ケニア・カクマ、2014年2月4日)

兵士だったジョセフさん(18歳)は、ヌエル民族です。今回の戦闘でも戦い、南スーダンの首都ジュバ市内をパトロールしていたところ、ディンカ民族の兵士がヌエルの住民を見つけるたびに殺しているのを見て、「自分が殺されるのは時間の問題だ」と、武器を捨ててすぐに逃げたそうです。バスを乗り継ぎ、やっとのことでカクマ難民キャンプにたどりつきました。「キャンプでは治安も落ち着いていて、誰も銃を持っていないのが嬉しい。これからは学校へ行くつもり」と話してくれました。

ここカクマ難民キャンプでこれから教育を受けたいという若者たちに数多く出会いました。「故郷では牛やヤギ飼いなどをして過ごしていたため、まったく教育を受けていなかった。でももう家畜はいない。ここで小学1年生から勉強したい」という10代後半の少年。「両親、親戚ともに今回の戦闘で亡くなり、ひとりでキャンプに来た。今後どうなるのか分からないけれど、とにかく学校へ行きたい」という18歳の少年。小さい子どもたちだけでなく、突然日常を奪われた若者たちにとっても、教育は、難民キャンプで得られる希望なのです。

AARは引き続き調査を行い、他の援助団体の活動と支援内容が重複しないよう調整しながら、給水支援や教育支援など、難民の方々に必要とされる支援を届ける予定です。今後の活動についてはホームページなどで随時ご報告します。皆さまのご協力をどうぞよろしくお願いいたします。

緊急募金にご協力ください

募金の受付を開始しました。どうぞご協力をお願いいたします。

郵便振替: 00100-9-600 加入者名: 難民を助ける会
  • 通信欄に「南スーダン難民」とご記入ください。
  • 領収証が必要な方はその旨お書きください。

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【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

南スーダン事務所駐在 土川 大城

2012年10月よりAARへ。2013年4月より南スーダン駐在。大学を卒業後、日本でシステムエンジニア、高校教師などを経て、オーストラリアの大学院で開発経済学を専攻。岩手県生まれ、インド育ち。

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