ネパール地震緊急支援:「やっと家族でひとつ屋根の下で寝られる」
待ち望まれたテントの資材
AARの緊急支援チームは、山間部のダーディン郡タサルプー村での活動を続けています。5月16日は3区と4区の方々へ食糧と生活用品を配付しました。多くの家が倒壊した被災地では雨露をしのぐため、床用マットと蚊帳に加えテントが待ち望まれていました。しかし、ネパール国内ではテントはすべて品切れで入手できないことから、AAR緊急支援チームは隣国インドより取り寄せ配付しました。
カビ・タタムさん(23歳)は、一人息子、出稼ぎ中で不在の夫の両親、そして自分の親族とともに暮らしていましたが、地震で家の1階部分が潰れてしまい、住むことができなくなりました。村人たちが作ってくれた仮りごしらえの避難所、といっても柱とトタン屋根だけで壁のないオープンスペースで、ほかの9家族と一緒に寝泊まりしています。避難所は狭すぎてプライバシーもない状態だったため、世帯間で揉めごとが起きるなど、心休まるときがなかったそうです。AARに貰ったテント用資材を使い、「これからは自分の家族だけでテントを立てて生活ができる」と嬉しそうに話してくれました。
配付内容
■配付場所:ダーディン郡タサルプー村
■配付日程
・5月16日:3区、4区の計220世帯
・5月18日:1区、5区、7区の計412世帯
・5月19日:6区、9区の計351世帯
・5月21日:2区、8区の計305世帯
■世帯数:合計1,288世帯
■配付したもの:
【食料】2週間分の米、ダール(豆)、塩、調理用油、香辛料(マサラ、ターメリック)
【生活用品】バケツ、蚊帳2張、床敷用のマット、テント用資材(ビニールシート(3.6x5.5m)1枚、ビニールシート取り付け用ロープ30m)、ブランケット2枚、生理用ナプキン3パック、手提げ袋1枚
学校が倒壊。「子どもたちが勉強できる場を」
タサルプー村には学校が12校ありますが、いずれも全壊または半壊して子どもたちが勉強できる状況にはありません。AARでは周辺の村も含めて仮設校舎の建設支援をする可能性を検討しています。今後もAARはネパールの方々が日常生活を取り戻せるよう支援を続けてまいります。どうか引き続き、皆さまのご協力をお願いいたします。
※この活動は、皆さまからのあたたかいご支援に加え、ジャパン・プラットフォーム(JPF)の助成を受けて実施しています。
緊急募金にご協力ください
どうぞご協力をお願いいたします。
郵便振替: 00100-9-600 加入者名: 難民を助ける会 |
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【報告者】 記事掲載時のプロフィールです
東京事務局 柿澤 福郎(かきざわ ふくろう)
2013年5月よりAAR東京事務局でアフガニスタン、パキスタン事業などを担当。2013年フィリピン台風、2015年バヌアツサイクロンなどの緊急支援にも従事。34歳、神奈川県出身。