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ミャンマー水害:家に帰れない...長引く避難生活に疲労の色濃く

2015年08月21日  ミャンマー緊急支援
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AARでは現地協力団体「MILI」とともに、被災地で支援物資の配付と被害実態の調査を続けています。洪水の発生から1ヵ月が経ち、水は徐々に引いてきていますが、依然として被災者は厳しい避難生活を続けています。洪水で家が倒壊したり、泥が堆積して住めない状態であったり、ぬかるんだ未舗装道路や船着き場の損壊によって自宅への移動ができなかったりと、帰れない理由は様々です。障がいのある方々が家に戻るのはさらに困難です。車両が通れなくなった道を、自力で歩けない障がい者を家族が背負っていくことができず、避難所にとどまる方。家が倒れないまでも、障がいのある体で暮らせる状態ではなく、戻れないという方。避難所での生活と先行きの見えない不安に、疲労の色も増しています。

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被災後、野宿を続けているティンマウンさん(中央)。「家はまだ水が引かず、道路も泥で使えないため、戻れません。頼れる親戚はなく、避難所も遠いので、どこにも行くところがありません。今は他の人の畑に防水シートを張って野宿しています」(2015年8月12日、マグウェイ地域)

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先天性下肢障がいのあるティンポポヘインさん(左から2人目)。家族に支えられて出歩くことが好きでしたが、洪水後は道路に泥がたまり、外出ができません。急ごしらえのトイレも足の悪い彼女には非常に使いづらく、避難所から戻った後も厳しい日々が続きます(2015年8月12日、マグウェイ地域)

8月14日に緊急支援物資を配付したサガイン地域は、特に被害の大きな地域のひとつです。物資を調達したヤンゴンからは、まず車で18時間進みます。そこからは道路が泥に覆われて車両が通れないため、電車に荷物を積み替え、さらに1時間かけて現地に到着しました。駅から配付場所へは徒歩で向かいます。

今回の緊急支援で一番の問題は道路状況です。未舗装の道路が多く、ぬかるんだ道をバイクや車両が通るため、深い轍ができて交通事情を悪化させています。そのために自宅に戻れない人が多いことに加え、支援を届けるにも時間を要しています。避難生活の長期化により、水や食料など、支援の必要性もより高まっています。AARは引き続き現地団体MILIとともに被災者支援を行ってまいります。

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物資配布の会場へ向かうMILIの職員。水は引いたものの道路には泥が残り、途中からは車両が通行できないため徒歩で物資を運んでいます(2015年8月14日、サガイン地域)

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仏僧の協力のもと、お寺を会場に水や食料などを配付しました。被災地では井戸に泥が入り込み、飲料水の確保が大きな課題となっています(2015年8月15日、サガイン地域)

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郵便振替: 00100-9-600 加入者名: 難民を助ける会
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【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

ヤンゴン事務所 中川 善雄

大学卒業後、日本赤十字社に約5年勤務。その後、国際協力の現場を希望しAARへ。2011年3月より2013年9月までタジキスタン駐在。2013年10月よりミャンマー・パアン事務所、2015年1月より同国ヤンゴン事務所駐在代表。神奈川県出身

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