パキスタン水害:校舎用仮設テントを17校に提供しました
新学期に向けて校舎用のテントを配付
パキスタンでは今年7月以降、広範囲で大規模な洪水が発生し、全土で160万人が被災する甚大な被害を受けました。AAR Japan[難民を助ける会]は特に被害の大きかった地域のひとつ、パンジャブ州で、同州レイヤ郡の教育局から要請のあった校舎用の大型仮設テント計40張を、17校に提供しました。
パンジャブ州は被災者46万人、1万7千棟もの家屋が損壊し、多くの校舎が水没または損壊しました。そのため、8月中旬に新学期が再開したところで、壁や柱にひびの入った校舎や、40度にもなる炎天下の屋外にマットを敷いただけの状態で、授業を続けている学校もありました。このため、AARは教育局と協議の上で学校を選定し、行政などの支援が足りていない17校に、大型仮設テントを提供、設置しました。テント1張で、児童約40人を収容できます。
水が引いた後も、校舎の修繕が完了するまで使用されます。また、同地域では毎年のように洪水が発生することから、今後の災害時にも利用できるよう、今回の水害が収まった後も教育局がこのテントを管理することになっています。
「快適なテントでまた友達と勉強ができてうれしい」ラムザンくん(小学4年生) |
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8月半ばに学校が始まりましたが、洪水で教科書や筆記用具をなくして、しばらく学校に来られなかったクラスメートもいました。学校も水に浸かり、近くの高台にマットを敷いて授業をしていました。8月下旬から少しずつ水が引き始めたので、校内の乾いた地面で授業をしてました。屋外は日差しが強く、地面もゴツゴツしていて座り心地が悪かったです。 |
【報告者】 記事掲載時のプロフィールです
パキスタン事務所 原 文次郎
大学卒業後、電機メーカーに勤務。米国同時多発テロを機にアフガン難民支援のボランティア活動を開始。その後国際協力NGOなどを経て、2013年10月よりAARへ。静岡県出身