東日本大震災:村治佳織さんが大船渡を訪問
チャリティコンサートに先立ち、被災地を訪問
AAR Japan[難民を助ける会]が実施する東日本大震災の被災地復興支援では、多くの企業やアーティストの方々にもご協力いただいています。4月27日に開催する『3.11被災者のためのチャリティコンサート』(紀尾井ホール)※は、日本ロレックス株式会社の特別協賛を得て、ギタリストの村治佳織さんらにご出演いただきます。コンサートに先立ち2月下旬、ロレックスのブルース・R・ベイリー社長と村治さんが岩手県陸前高田市と大船渡市を訪問しました。
「復興に向かう人」と「応援する人」を繋ぐ
424名が暮らす大船渡市内の長洞仮設では、住民の方々の「お茶っこ」に参加しました。村治さんがビートルズを演奏すると、住民の方々は歌を口ずさんだり、目を閉じて聞き入ったりしていました。演奏後は村治さん、ベイリーさんと会話を弾ませ、「こんな遠くまで来て下さるとは」「楽しいひと時を過ごせました」と笑顔があふれました。
また、AARが施設の高台移転を支援している障がい福祉作業所「かたつむり」では、利用者の方と交流。子どもたちにギターの演奏体験もしてもらいました。「かたつむり」は津波で全壊し、現在はプレハブで活動しています。その場所が津波浸水想定区域に指定され、移転を求められていますが、その費用が大きな負担となっています。震災から5年経ってもなお大きな課題を抱えている皆さんは、お二人の訪問にとても勇気付けられたようでした。
被災された方々にとって5年は、傷が癒えるのに十分な時間ではありません。昨日起きたことのように思っている方や、時間とともに傷が深まっている方もいらっしゃいます。5年が経った今だからこそ必要とされる支援があります。AARはこれからも、必要とされている支援を続けるとともに、「復興に向けて邁進する方々」と、それを「応援する方々」とを繋いでまいります。
※おかげさまでコンサートのチケットは完売いたしました
村治佳織さんより、コンサートに向けてのメッセージをいただきました |
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今、ここにいること、今、生きていることを実感できるのはライブの良さのひとつだと思っております。東北とご縁をいただき、多くの方々のサポ一トにより、コンサートを行うことができ感謝いたします。そしてお客様からいただくお気持ちを形にしていく、東北と繋がっていく...、こんなに素晴らしいことはございません。東北と東京を音楽で繋ぐ一夜を本当に楽しみにしております。 |
【報告者】 記事掲載時のプロフィールです
東京事務局 加藤 亜季子
2010年4月より東京事務局で主にハイチ事業、ザンビア事業、東北事業を担当。2013年4月から2016年2月まで東北事務所長。大学卒業後、民間企業に勤務。英国の大学院で社会開発を学び、政府系研究機関、在外公館勤務を経てAARへ。東京都出身