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ラオス:車いすバスケットボール大会の継続を

2016年07月13日  ラオス障がい者支援
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日米両大使も参列

AAR Japan[難民を助ける会]はラオスのビエンチャンで、2015年6月から2016年5月までの1年間、車いすバスケットボール普及支援事業を実施し、これまでに、車いすバスケットボール技術向上の講習会やクラシフィケーション(※)講習会を実施したほか大会も2回開催しました。大会に向けて、メンバーは週3回仕事が終わってから集まり練習を重ね、多くの方が、「日々の車いすバスケの練習によって、前よりも健康的な生活を送れるようになった」と話してくれました。また、定期的に集まって練習することによって、普段なかなか会うことのない障がい者同士が友好を深める場にもなっています。

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引き渡し式で引き渡し証書に署名後、CMRのカムペット所長と握手を交わす筆者(右)(2016年5月27日)

事業終了に伴い、協力団体である医療リハビリセンター(CMR:Center for Medical Rehabilitation)障がい者スポーツ用体育館へ、事業の中で使用してきた車いす30台を供与することになり、5月27日に引き渡し式典を開催しました。本事業はアメリカ政府の資金、同体育館の建設は日本大使館の支援によるものであることから、式典には日米の大使も参列され、両国大使が車いすに乗って、ゴールに向かってシュートをする場面もありました。また、式典の最後には選手によるミニエキシビションマッチが行われ、両大使を含む式典参列者が試合を観戦しました。

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車いすに乗りシュートを狙う引原毅日本大使(右)(2016年5月27日)

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ダニエル・クルーン米国大使にも車いすに乗りシュートをしていただきました(2016年5月27日)

※クラシフィケーション
選手の身体能力の状態を評価し、1.0~4.5点の点数を定めること。身体能力の低い選手ほど低い点数となる。試合に出場する選手5名の合計点数を常に14.0以下に収める。このルールにより、障がいの重い選手も軽い選手も等しく試合に出場することができる。

白熱した試合の結果は・・・

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普段の練習の成果を発揮すべく、白熱した試合となりました(2016年5月29日)

事業の締めくくりとして、5月29日には2回目の大会を開き、ラオス人3チーム(A、B、C)、日本人1チーム、タイ人1チーム、計5チームのトーナメント形式での対戦を行いました。日本人チームは皆障がい当事者ではありませんでしたが、車いすバスケットボールは、障がいの有無にかかわらず、一緒に楽しめるスポーツとしての魅力もあります。

タイチームとの対戦では、ラオスチームの圧勝となりましたが、コートサイドからラオスの選手がタイチームに声援を送るなど、友好的なムードで試合が行われました。ラオス人同士の試合では、いつも仲良く練習している選手たちも、闘志むき出しの真剣勝負となり、見事ラオスAチームが優勝しました。

AARビエンチャン事務所では、本事業終了後も車いすバスケットボールの活動が地道に根付いていくよう、国内大会の継続を促すなど、引き続き支援を行ってまいります。

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熱戦の後には参加者皆この笑顔。最前列右端はAARの大城洋作。右から二番目は筆者(2016年5月29日)

※この活動は、皆さまからのあたたかいご支援に加え、アメリカ合衆国国際開発庁(USAID)の助成を受けて実施しました。

【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

ビエンチャン事務所 岡山 典靖

2004年6月よりラオス駐在。大学卒業後、青年海外協力隊員としてバングラデシュへ。水産庁の外郭団体を経て農村開発NGOの駐在員としてネパールで勤務後、AARへ。

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