ミャンマー避難民に毛布と子ども服を届ける
ミャンマー西部ラカイン州に居住するイスラム系少数派の隣国バングラデシュへの大量流入が始まって約4ヵ月、避難民の数は65万5,000人(12月21日現在)、今年8月以前から滞在する避難民と合わせると約87万人にも上ります。衛生状態の悪い避難民キャンプで過酷な生活を強いられている人々に対し、AAR Japan[難民を助ける会]は緊急支援として毛布900枚、子ども服(パーカー)900着を配付しました。
「何も買えず困っていた」避難民から感謝の声
バングラデシュ南東部コックスバザール県のクトゥパロン避難民キャンプは、周辺と合わせて約55万人が数キロ四方に密集する通称"メガキャンプ"の中核に位置します。竹材とビニールで建てた粗末なテントで暮らすジア・ロフマンさん(37歳)一家は11月27日、キャンプ内の配給センターを通じて、毛布2枚と子ども服2着を受け取りました。これはAARが協力団体である現地NGOのCOAST Trust(本部ダッカ)と一緒に調達し、キャンプに届けた支援物資(約450世帯分)です。
妻と子ども2人とともに9月初旬にラカイン州から避難してきたロフマンさんは「ミャンマー政府軍や仏教徒グループに家を焼かれ、着の身着のまま逃げてきて、現金を持っていないので服も買ってやれませんでした。このところ朝晩は肌寒くなってきたので、温かい毛布と子ども服をもらって助かりました。日本の皆さんにお礼を言いたいと思います」と安心した様子で話しました。
避難民から直接ニーズを聞き取り
熱帯の国バングラデシュですが、乾季の12月~2月頃は最低気温が12~13度まで下がります。AARの緊急支援チームは当初、衛生用品(石けん、歯ブラシ、タオルなど)の配付を計画していましたが、この季節の"越冬支援"が必要との情報を得て急きょ変更しました。避難民キャンプの状況は刻一刻変化しており、何が本当に求められているかを知るには、人々から直接聞き取りを重ねるしかありません。
同じくクトゥパロン・キャンプのイスラム学校教師、マオラナ・ヌラルさん(45歳)一家も、毛布と子ども服を受け取りました。ヌラルさんは「息子3人、娘4人とも無事にバングラデシュにたどり着いたことが何よりでした。もらった服は息子たちにぴったりで喜んでいます」と話す一方、「食料は配給で何とかやっていけるようになりましたが、きれいな水が不足しているので困っています」と訴えます。
AAR現地事務所を開設、避難民支援を本格化
1ヵ月前と比べても、キャンプ内は地元住民や一部避難民が野菜やバナナ、衣類、日用雑貨などを売る小さな店が増えたり、配給センターや道路がきれいに整備されたり、一見すると環境が整いつつあるかのように見えます。しかし、人々は相変わらずビニールの小屋に住み、給水やトイレなど衛生面の問題もほとんど解消されていません。
今回の支援物資調達には、皆さまからお寄せいただいた緊急募金の一部が使われています。AAR は12月にコックスバザール事務所を開設し、駐在員2人を派遣してミャンマー避難民支援を本格化させました。年明けからは新たな支援物資配付、公共トイレ・水浴び場の建設プロジェクトを開始する予定です。困難な状況に置かれた避難民の人々に寄り添い、少しでも生活環境を改善する支援を目指します。
ミャンマー避難民問題は長期化が予想されます。引き続き、皆さまの募金へのご協力をお願いいたします。
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【報告者】 記事掲載時のプロフィールです
中坪央暁(なかつぼ ひろあき)
ミャンマー避難民緊急支援チーム 毎日新聞ジャカルタ特派員、編集デスクを経て、国際協力分野の専門ジャーナリストとして南スーダン、ウガンダ北部、フィリピン・ミンダナオ島などの紛争復興・平和構築支援の現地取材を続ける。2017年11月にAARに入職し、ミャンマー避難民支援に従事している。