西日本豪雨：地域の人たちが交流でき、安らげる場所を
AAR Japan［難民を助ける会］緊急支援チームは7月21日、特に被害の大きかった岡山県倉敷市真備町にあるNPO法人「岡山マインドこころ」を訪問し、必要とされていた経口補水液や延長コードのほか、トイレットペーパー、生理用品、おむつなどをお届けしました。
NPO法人「岡山マインドこころ」へ必要とされていた支援物資を届けるAARのラガド・アドリー（右）。左はAARの田中晴子（2018年7月21日）
2階まで「泳いで」助けに
NPO法人「岡山マインドこころ」は、2001年に設立された障がい者自立支援施設です。精神障がい当事者の方々が活動の中心となり、障がいのある人もない人も一緒に暮らしていけるまちづくりを目指してきました。今回の豪雨被害に遭うまでは地ビールの醸造をしており、障がい当事者の方々が就労していました。同施設にはビアホールもあり、週末になると常連のお客さんたちが大勢来られ飲みながら語り合う、地域の社交場でした。
今回の豪雨により、ビアホールは全壊。施設も1階は何もかもが流されてしまいました。同施設から車で5分の場所に、醸造する前のビールの原料を作る場所があります。その1階も浸水し、さらに水が2階まで上がってきていました。2階に取り残された2名の障がい当事者の方が窓から顔を出して助けを求める姿を見つけた代表理事の多田伸志さまは、同施設からその建物の2階まで、洪水の中を「泳いで」駆け付けたそうです。
NPO法人「岡山マインドこころ」代表理事の多田伸志さまよりお話を伺うAARの高木卓美（左手前）とAARの田中晴子（左奥）（2018年7月21日）
「この窓から利用者が2人、助けを待っていました」。無
すべて流されてしまった、でも
NPO法人「岡山マインドこころ」は、地ビールの製造だけでなく、精神障がい当事者の方々が各地で講演や音楽交流会を行うなど、幅広い活動を行ってきました。
多田さまは「ようやくおもしろくなってきた、というところで今回の水害が起き、すべて流されてしまった。しかし私たちはできるだけ早く施設を再開し、また地域の人たちが交流でき、安らげる場所を整えたい」と、うっすら涙を浮かべながら語っておられました。多田さまの復興に向けた熱い思いが伝わってきました。
AARは引き続き、被災地での支援を行ってまいります。皆さまの応援をよろしくお願いいたします。
NPO法人「岡山マインドこころ」の1階。浸水した後の泥がこびりついていました（2018年7月21日）
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