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北海道地震:「続く余震に不安の声も」緊急支援チームの活動を報告します

2018年09月13日  日本緊急支援
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北海道胆振東部地震の発生から1週間が経ちました。多くの地域で電気や水が復旧していますが、いまだ1,600人の方々が避難生活を送っていらっしゃいます。

土砂崩れの現場を見るAARの事務局長の堀江良彰

土砂崩れが発生した厚真町吉野地区。右は緊急支援チームの堀江良彰(2018年9月12日)

被災された地域の福祉施設を訪問

緊急支援チームの堀江良彰、高木卓美、鎌田舞衣の3名は、障がい者施設を訪問し、被災状況を確認しています。2日間で札幌市清田区、むかわ町、安平町、追分町、日高町の6施設および避難所を訪れ、職員や役場の福祉課の方々から話を聞きました。

11日に訪れたむかわ町穂別地区では、4つの福祉事業所の方々が市民会館に避難しており、部屋には段ボールベッドが並べられていました。利用者のみなさんはみな無事だったものの、4施設とも建物が被災し、住める状況ではなく、ひどいところは再建設が必要になるかもしれないとのことでした。今後は町営住宅への入居を考えているけれども、新しい環境に馴染めるかという懸念もあるそうです。

黄色いテープが張れり、警備員や工事などが大勢います

札幌市内の被害の大きい地域。通行止めになっており、工事が始まっていました(2018年9月11日)

むかわ町役場の職員に話を聞く堀江と高木

むかわ町の町役場で市内の福祉施設に関する情報を集めました(2018年9月11日)

12日に訪れた安平町の施設では、代表の方が「事務所はメチャメチャ。本棚が倒れて、本も資料も机や床に落ちていました」と、発災直後に施設に駆け付けたときの様子を話してくださいました。「ただ、宿泊されている利用者の方が全員無事だったので何てことないです」と、設備が壊れたことより、利用者や職員の安全を何より考えていたことがうかがえました。
現在、ボイラーの配管が壊れたためお湯が使えません。修理を依頼したものの、業者も今は大変多忙なため、復旧がいつになるかはわからないとのこと。今週から気温がぐっと下がったため、今後に不安を感じているようです。

施設の玄関で職員の方から話を聞く堀江、高木

安平町内の施設。「利用者の方が全員無事だったの何てことないです」と話されていました(2018年9月12日)

民家の壁が大きくひび割れ、金網で抑えています

追分町内では、壁が崩れ落ちそうな家も(2018年9月12日)

続く余震に不安の声も

調査チームが現地入りしてからも、体感できるだけで1日平均4回くらいの余震があります。12日に話を伺った追分町の介護サービス施設の職員の方は、「今はヒビで持ちこたえている建物も、余震でどんどん(被害が)大きくなるでしょ。それが心配」と話されました。また、「まずは利用者の安否確認を第一に活動を進めました。でも、利用者はもちろん職員もみんなが被災者。自宅は何とか生活できるだけの導線は確保したけど、片付けもまだできていない状態なので、今は1週間のことを考えるので精いっぱい」と、現状を話してくれました。

家屋の倒壊を免れても、ボイラーの故障や建物内部に亀裂が入っていたり、強い揺れのために家がゆがみドアの開閉ができなくなっていたり、一見外からは見えづらい被害があります。また、被災レベルが各々で大きく異なるため、ライフラインさえ復活すれば生活も仕事もできる方、1週間を乗り切る体力はある事業所、住む家を失って故郷を離れる決断をした方など、日常を取り戻すスピードや方法も異なるようです。話を伺った方々からは、不便さを気にせず、「今あるもので今できることをまずやる」という姿勢が多くみられ、たくましさを感じました

山肌が崩れ、家屋を押しつぶしている様子

土砂くずれがあった厚真町吉野地区(2018年9月11日)

棚1面に水のペットボトルが並んでいます

安平町内のコンビニ。店員さんは「断水が続いたので水を最優先で入荷させました」と話されていました(2018年9月12日)

多くの感謝の声とともに

上厚真小学校で続けていた炊き出しは、12日の夜をもって終了しました。地域の水道が復旧し、ほとんどの方が自宅に戻ることができたためです。加藤勉AAR理事(NPO法人ピースプロジェクト代表)が、ピースプロジェクトのメンバーとともに7日夜から開始し、10日からは仙台事務所の大原真一郎も加わりました。避難されている方々や地域の方々が調理、配膳、配達などを手伝ってくださり、また、途中、加藤理事の知人が総勢8名で名古屋から応援に来てくれるなど、多くの皆さまにご協力いただき、6日間で計980食を提供しました。

11日は昼は豚丼80食、夜はクリームシチューを100食、12日昼はカレーライス80食、夜はおでんを100食を提供しました。厚真町では11日朝の気温が5度台まで冷え込み、夜は体育館の暖房を入れたそうです。シチューやおでんなど温まるメニューにしたところ、「なんか心も温かくなった」などの言葉をたくさんいただきました。12日の最終日には、夕方以降小学校の校長先生や先生方、町役場の職員の皆さん、そして初日からお手伝いをしてくれた避難者の皆さんから温かいお言葉をかけていただきました。

炊き出しを受け取りに住民が列をなしています AAR理事の加藤勉と大原が食事をお皿によそっています

近所では「上厚真小学校の炊き出しは美味しい」と評判になったそうです(2018年9月12日)

おでんの具はコンニャクやちくわなど ご飯を添えて

12日の夕食。最後のメニューはおでんでした(2018年9月12日)

引き続きご支援を賜りますようお願い申し上げます。

加藤と大原を含め15名で集合写真 可愛い柴犬も写っています

避難されている皆さまと加藤勉AAR理事(左)、AAR緊急支援チームの大原真一郎(前列右)(2018年9月12日)

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