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夏休み子どもイベント「親子で学ぶSDGs-きみの得意技で世界を変えよう」を開催しました

2019年09月10日  啓発日本
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2019年8月21日に、AAR Japan[難民を助ける会]事務所交流スペースにて、「親子で学ぶSDGs-きみの得意技で世界を変えよう-」を開催しました。SDGsとは、国連が定めた持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)を指し、世界の課題を解決するための17の目標から構成されています。そして、SDGsを2030年までに達成することが目指されています。日本にいる子どもたちにも、自分にできることを実践して目標達成に貢献してほしいと企画した本イベント。小学生31名、保護者21名の計52名がご参加くださいました。当日の様子を、東京事務局の伊藤美洋がご報告します。

何に困っているのかな?

イベントでは、大人と子どもに分かれ、その中で5~6人で1チームになりスタート。まずは司会進行を務めた穂積武寛が、参加者の皆さんに4枚の写真を1枚ずつお見せします。日本とだいぶ違う状況の国の写真もあれば、日本国内の写真もあります。「これはどこかな?」「何をしているところかな?」。何もヒントは出しませんでしたが、テントの中で子どもたちがたくさん地べたに座っているだけの写真に、「学校!」と正解を言う子どももいました。「では、この写真の人々は、何に困っているかな」と問うと、「机やいすがない」「教科書がない」などとさまざまな意見を出してくれました。

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イベントには、午前・午後の部合わせて52名がご参加くださいました(写真はすべて2019年8月21日撮影)

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世界にはどんな問題があるか、写真を見ながら話し合います。子どもたちからたくさんの意見が出ました(右奥は司会・進行を務めるAARプログラム・マネージャーの穂積武寛)

世界の課題について考える

次は、チームごとに、写真に写っている人々が何に困っているかを示すカードを選んでいきます。カードには、例えば「食べ物がない」「住む場所がない」「学校に行けない」などが書かれています。その中から、特に解決したい問題を3つに絞ります。たくさんの問題がある中で3つだけを選ぶのは難しかったようですが、みんなが意見を出し合いながら、どうしても譲れない問題をなんとか決めることができました。

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テーブルの上に置かれた写真の子どもたちが何に困っているかを考え、自分たちで解決したいことが書かれたカードを3枚選びます。このチームでは、「安心して飲める水、きれいなトイレがない」「健康に暮らすことができない」「まちに安心して住めない」の3つを選びました。

得意技カードを選びアイデアを出す

その後、自分の得意なこと、好きなことが描いてあるカードを1枚だけ選びます。カードは「工作」「音楽」「スポーツ」「作文」「実験」「料理」など36種類。その中から選んだ特技を使って、写真にある問題を解決するためのアイデアを一人ひとりがポストイットに描いていきます。すぐに書き出す子や特技を一つに絞れず悩む子などさまざまでしたが、最終的にはいろいろなアイデアが出ました。

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たくさん並んだ得意技のカードから、一人1枚だけ選びます。趣味や特技が多すぎて、1枚に絞れない子も。

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大人チームも自分の得意技でSDGsの目標を解決しようと、ポストイットにどんどんアイデアを書き込んでいきます

自分にできる解決方法を整理し発表

そして、先ほど選んだ3つの問題を解決するために、一人ひとりが考えた自分の得意技を使ったアイデアを模造紙に貼っていきます。アイデアは、大きく分けると「周りの人に知らせる」「お金を集める」「役に立つ技術や方法を考える」の3つに分類できました。その後、チームごとに、どんな問題に対してどんな解決方法が出たのかを発表しました。あるチームの発表では、工作が好きな子が水やトイレがない難民キャンプの子どもたちに対して、「困っている人たちのことを知らせるポスターを作る」というアイデアが出ました。ほかのチームからも、算数が得意な子が「キャンプにいて学校に通えない子どもたちに算数を教えてあげる」、裁縫が好きな子が「難民の人たちに洋服の作り方を教えてあげたい」などいろいろな意見が出ました。一方、大人チームからは、「IT技術を使い避難所アプリを作る」といった大人ならではのアイデアや、「得意の語学力を駆使して、日本語がわからない避難者のために通訳や翻訳をしたい」という意見などが出ました。

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チームごとに、どんな困りごとをどのような方法で解決できるかを模造紙にまとめ、チームのリーダーが上手に発表できました(右は司会・進行役を務めたAARの穂積武寛)

このイベントを企画した段階では、果たして本番にどれだけのアイデアが出てくるのか不安もありましたが、いざイベントが始まると、参加者の皆さんがさまざまなアイデアを出してくださいました。また、日本にいながらも世界の難民問題や日本の災害を身近に感じ、「なんとかしたい」と真剣に考えてくださる様子に、私たちスタッフは励まされました。

「自分たちが動かなきゃと思えた」参加者のアンケートより

参加された方々のご感想を、一部ですがご紹介します。

子どもたちの感想

    • 自分が思っているよりも世界がひどい状況になっていてびっくりした。
    • 自分のとくいわざが誰かのためになることがうれしかった。 
    • みんなで話し合うのが楽しかった。
    • 世界の問題について詳しくおしえてもらった。
    • 世界のことを知れて、自分たちが動かなきゃと思えた。
    • 自分のできることを考えるのが楽しかった。

保護者の感想

    • 自分の好きなことを生かしてSDGsに取り組むという切り口が、単に知識を与えるのではなく面白かった。
    • SDGsについてよくわかった。身近でできるところから始めていきたい。
    • 子どもが自分ごととして考え、発表していたのが良かった。
    • 割と幅広い領域なので、どういう落とし込みで考えているのか気になっていたが、ふせんを使った頭の整理作業がとてもためになった。イベント後も続けたい。
    • 子どもにもわかりやすかった。自分の意見や皆の意見を聞くことが貴重な経験になったと思う。
    • 考える時間が十分にあり、インプットもあり、印象の残る内容だった。

当日の様子は、TBSテレビの番組でも放送されました。動画は以下からご覧いただけます。

本イベントの参加費、チャリティグッズの純益は、AARが行う支援活動のために大切に活用させていただきます。お越しいただきました参加者の皆さまと、 当日お手伝いいただいた頌栄女子学院高等学校の皆さまに、心から御礼申し上げます。

【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

東京事務局 伊藤 美洋

大学を卒業後、4年半の企業勤務を経て1996年よりAARへ。広報担当を経て現在は渉外・チャリティ商品・総務を担当。3児の母。

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