台風15号 被災者支援:個別のニーズに対応した支援を
2019年9月9日、台風が関東地方を直撃し、千葉県を中心に3,500棟以上の家屋被害や、最大時で90万戸以上に及ぶ停電、14万戸近い断水など、大規模な被害が発生しました。電線の修復作業などが昼夜問わず行われており復旧作業は各地で進んでいるものの、9月17日朝7時現在でなお約6万6千戸の停電が続き、断水も長期化しています(内閣府発表)。
AARは緊急支援チーム(生田目充、櫻井佑樹、平山泰弘)を派遣し、千葉県館山市、南房総市、鋸南町、鴨川市で福祉施設を中心に緊急支援を行っています。9月14日からの3日間で13の福祉施設を回り、現場の被害状況とニーズを調査するとともに喫緊に必要とされた支援物資を提供しました。
食料は届くものの
14日は、館山市と南房総市で被災した障がい者や高齢者などの状況を調査。コンビニなどの流通も再開し、 基本的な物資は足りているようですが、 福祉施設では普通食の摂取が難しい方向けの食事の提供が出来ておらず、 行政でも地域のすべての施設のニーズが把握しきれていないなどといった状況を確認しました。
15日は南房総市で福祉関連の行政機関や施設を中心に聞き取りを行いました。「嚥下(食事を飲み込むこと)が困難な人向けの食事を作れなくなり困っている」との声を受け、医療法人社団介護老人保健施設「晴耕苑」に、嚥下困難者用レトルト食品及び栄養食品あわせて96食分を提供しました。食料の支援はこれまでもあったものの、こうした個別のニーズに合わせた食品は、なかなか届かなかったそうです。
16日には、鋸南町と館山市に調査範囲を拡大し、福祉施設における被害状況を引き続き調査しました。地域に根ざした介護サービスを行うNPO法人「結いの会」では、市内には届いている物資も、集積所まで取りに行くことのできない高齢者や障がい者の方々が多数いる状況が明らかになりました。また、1人暮らしの高齢者で破損した屋根の応急処置をする人がいないことから、雨漏りした状態のまま生活している方々も多いことが分かり、ボランティア派遣を行っている市社協に支援要望できるよう連携を行いました。訪問介護を行うNPO法人「たんぽぽの会」では、停電及び断水が継続している利用者宅を訪問しているということで、訪問時に届けていただくための衛生用品や飲料水を提供しました。
個別のニーズに沿った支援を届けます
多くの施設では団体同士で助け合い、あるいは行政などからの支援もあり、なんとか急場をしのいでこられたようですが、聞き取りを進めていくと、個別の支援ニーズを抱えた施設や個人はまだまだあることが分かりました。
また、3市1町(南房総市、館山市、鴨川市、鋸南町)での建物被害は築年数の古い個人宅に集中していることが分かりました。被災した在宅高齢者及び障がい者の方々は、定員オーバーのため施設に受け入れてもらうことができず、雨漏りのする自宅か避難所に行かなければいけないケースも多いそうです。自宅で停電が復旧しても、寝たきりの高齢者宅は漏電の危険性もあり、雨漏り状態の自宅に一人にしておくのは心配であるという施設関係者の声もありました。
住民の皆さんは、家屋の損壊に加え長期化した停電や断水で疲労が募っています。特に一人暮らしをする高齢者の方々や個別のサポートを必要とする障がい者の方々は、市内まで届いている物資を受け取りに行けない、必要としているサポートが得られないといった状況があります。AARでは引き続き聞き取り調査を行い、個別のニーズに沿った支援を届けてまいります。
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【報告者】 記事掲載時のプロフィールです
東京事務局 生田目 充