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台風19号 : 乾いた汚泥が粉塵となり、感染症の心配も

2019年10月24日  日本緊急支援
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汚泥が保育園の庭や床下いっぱいに・・・

「AARさん、何とかなりませんか」。福島県相馬市の保育園から、電話でSOSが届きました。0歳から6歳まで140人の園児が通うこの相馬保育園は、台風19号ですぐ近くの川が氾濫し、施設が床上浸水の被害に。汚泥は園庭全体と園舎の床下に広がりました。園庭の汚泥は何とかとりのぞき、10月21日から園を再開したものの、除菌用の物資が市内や近隣地域でどうしても入手できず、支援物資も届かず、困っていました。そこで、東日本大震災の緊急復興支援でご縁のできたAARにご相談くださったのです。

連絡いただいてすぐ、状況を確認し、まずノロウイルス対策除菌剤およびうがい薬などを提供しました。汚泥は取り除いてもかなり臭いが残っていたため、追加で除菌消臭剤もすぐ届ける予定です。「子ども用マスクや水など、災害に備えて物資を備蓄していましたが、除菌用のものがなく、どこに行っても買えず、AARにお願いできて本当に助かりました」と、園長の和田信智様はほっとした表情を浮かべると同時に、「東日本大震災から何年も経って、またお世話になるとは思いもしませんでした...」とも。断水が解消し、子どもたちも通園を再開できるようになったとはいえ、床下の汚泥はまだ残ったままで、給食のための食材も、地元商社がいまだ機能しないため十分には入手できないなど、まだまだ大変な日々が続きます。

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提供した物資の箱を早速開けて、笑顔を見せてくれた相馬保育園の園児たち(写真はすべて2019年10月23日、福島県相馬市)

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1日も早く子どもたちのために清潔な環境や栄養のある給食を提供したいと、先生方は奮闘しておられます。

拡がる感染症の不安

福島県は、死者29人、住家被害は全壊・半壊・浸水等を含め7,000棟を超える甚大な被害を受けました。今も、断水戸数は36,898戸、1,663人が避難生活を続け、停電や断水、道路の通行止め、鉄道の運休も一部で続いています(10月23日、内閣府非常災害対策本部発表)。

昨23日に相馬市を訪問した際は、この地域では断水がようやく解消されたことで、お会いした方々が先週よりも表情が明るくなっていたことにほっとしました。相馬市内の障がい者就労施設「ひまわりの家」も、先週訪問した時には利用者の方々が総出で泥かきをし、水浸しになった什器や備品を屋外に並べていましたが、ようやく水できれいにすることができたそうです。一方で、新たな問題にも直面しています。感染症です。私自身、今回相馬市に入ったとたん、鼻がむずむずし、喉も少々痛くなってきました。泥水が乾燥してきたことで粉塵が舞っているようです。「ひまわり園」の施設長の只野梨枝様も「汚泥の乾いた部分が粉塵になっていて、衛生的に問題を感じていました」と、提供した衛生用品を喜んでおられました。土砂に含まれた細菌や、断水による衛生環境の悪化、避難所での集団生活に伴うインフルエンザやノロウイルスへの感染など、災害時は感染症の危険が非常に高まります。

AARでは感染症対策も含め、必要とされる物資を届けてまいります。
どうか引き続きのご支援を、お願いいたします

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15名の利用者が通う障がい者就労施設「ひまわりの家」に、除菌用の物資を提供。「衛生の問題を感じていました。本当に助かります」と施設長の只野梨枝様。左はAARの浅野武治)

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崩れたままの橋。水の猛威をまざまざと感じさせる場所が今も各地に残る

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    【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

    東京事務局 浅野武治

    2011年11月より国内事業担当として、東北事業や国内でのイベントの企画・運営を担当。調理師の資格を活かして、福祉作業所での新商品開発などに従事する。東京都出身

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