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トルコ:更なる不安からシリア難民の方々を守るー新型コロナウイルス緊急支援

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AARは2014年からトルコで、シリア難民への支援を継続しています。トルコでも新型コロナウイルスの感染が拡大していく中、難民の方々はより一層強い不安を感じています。もとより先の展望が持てない中、経済的な不安やトルコ語が分からないこと、子どもの教育面などさまざまな問題を抱えています。AARはシリア難民の方々に、感染の広がりを受けて、いま感じている心配や困りごとなどの相談に対応する支援を開始しました。

不安定な暮らしに追い打ちをかける不安感

トルコでは、3月9日に最初の新型コロナウイルス感染者が確認されてから、感染者数が増え続け、4月2日時点で15,679名の感染者(内死亡者277名)が報告されています。65歳以上の人と慢性疾患のある患者には外出制限が設けられ、都市間の移動が許可制になるなど、トルコ政府は対策を次々に打ち出しています。しかしこうした対策や、そもそもの予防や感染拡大防止のために必要な行動などの情報はトルコ語で出されるものが大半です。状況が目まぐるしく変わる中で、シリア難民に配慮・対応した情報は少なく、何が起きているのか、どうしたらよいのか分からず大きな不安が生まれています。

そこでAARは、シリア難民の方々が抱える問題を把握し対応していくため、電話やWhatsApp(ラインのような無料通信アプリ)を使った聞き取り・情報提供を開始しました。3月23日から3月28日の間に、AARが従来から支援している難民の方々に連絡を取り、イスタンブール県84件、シャンルウルファ県258件、マルディン県340件、ガジアンテプ県45件の調査を行いました。

聞き取りでは、「外出制限が実施されたら雇止めにあってしまうのではないか」など雇用に関するものや、現在トルコ政府から支給されているデビットカードを通した現金支援が止まるのではないかなど経済的な不安が多く聞かれました。また、障がいや慢性疾患のために定期的に通院しているが、感染拡大によりそうした人たちは病院に来てはいけないと聞いた、という声や、このまま通院ができないと障がい者証明が失効し障がい者手当てが打ち切られるのではないか、といった不安も多く寄せられました。特に障がいのある方の不安感が強かったため、すぐにその場で、障がい者手帳の失効については、そうしたことはないと医療機関から確認していることを説明しました。また、通院時に当会スタッフが電話で通訳を行う支援があることも、改めて説明しました。
新型コロナウイルスに関する相談ホットラインでは、シリア難民向けの内容が限られているという声も挙がり、正しい情報が入手できていないことも浮き彫りになりました。

あわせてAARに求める支援を伺うと、新型コロナウイルスに関する最新情報の提供、病院に行く際の電話などでの通訳の提供、マスクや消毒薬などの予防キットの配付などと同時に、従来から行っている、各家庭の個別の状況に応じた支援の継続も強く求められました。

AARの事務所で難民の方に電話をかけながらメモを取るAARトルコ事務所スタッフ

難民の方から不安や困りごとを聞くAARトルコ事務所のシリア人スタッフのマイサ・アルバルガシュ(2020年3月、トルコ・シャンルウルファ)

正しい情報提供や精神的、経済的サポートで安心を届ける

聞き取りで明らかになった不安に応えるため、AARでは支援しているシリア難民の方々に向けて、政府から発表された最新情報や、手洗いなど感染予防のための正しい行動を伝えるウェブサイトを開設する準備を進めています。
また精神的な不安を和らげられるよう、従来から個別に難民の家庭を訪問して相談に対応してきた心理士のAARトルコ事務所スタッフが定期的に連絡を取り、随時相談に対応していきます。経済的不安に対しては、今後の収入にこれまで以上に不安を感じている方が多いため、地域のスーパーマーケットで使えるプリペイドカードの配付を検討しています。

電話で話を聞き始めたときには不安そうだった難民の方々も、AARから連絡をもらえたこと、正しい情報を得たり、相談ができたことで少し安心できたようだったと、対応にあたったスタッフは話しています。

新型コロナウイルスの流行により混乱した状況の中で、特に情報や本来得られるべき支援から難民の方々が取り残されないよう、今後も状況に対応した支援を継続していきます。

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    【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

    トルコ事務所 横銭 翔太(よこぜに しょうた)

    高校生時代にインド以西のアジア地域に関心を持つ。大学で現地言語(ウルドュー語)を学び、トルコやチュニジアなどを訪れる。大学卒業後、4年間チュニジアに滞在し、語学学校で現地公務員として日本語を指導。2019年1月よりトルコ事務所駐在。東京都出身。

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