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パキスタン:感染拡大防止に必要な物資と情報を届けるー新型コロナウイルス緊急支援

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物資を届けた家庭で、スタッフとともにカメラに向かう親子。2人の子どもはAARが配付しているリーフレットを持っている

支援物資をお届けした家庭。子どもたちが手にしているリーフレットには、手洗い方法や心のケアについて書かれている(パキスタン・ハリプール郡、2020年4月9日)

AAR Japan[難民を助ける会]が活動しているパキスタンでは、4月13日時点で、5,496名の感染が確認され、93名が亡くなっています(パキスタン政府発表)別ウィンドウで開きます

不要不急の外出はしないようにと政府は働きかけている中ですが、感染は広がり続けています。同国では医療体制が十分に整っておらず、適切な予防方法などの情報にアクセスできない方も多くいます。そのため、AARは、新型コロナウイルス緊急支援を開始しました。

マスクや食料品の配付に加え、ストレスへの対応を

AARは、パキスタンにおける緊急支援第一弾として、ハリプール郡の小学校2校の校区において、障がい児のいる家庭など、脆弱な立場にあり感染リスクの高い家庭を中心に、緊急支援物資の配付を行っています
例えば、視覚障がいがある方は、物に触れることでそれが何であるかを理解しますが、ものを触る行為自体に感染リスクがあります。また、情報を正しく理解することが難しい知的障がいのある方や、介助者との間に感染を防ぐための社会的な距離をとることが難しい方もいます。

支援物資は、感染予防のためのマスクや石けん、手指の消毒液などの衛生用品だけでなく、小麦20kgや牛乳などの食料品もあわせて配付しています。配付先の中にはもともと経済的に厳しい家庭が多く、新型コロナウイルスによる影響を受けて働きに行けなくなるなど、さらに苦しい状況に追い込まれている方々もいるためです。

机の上には、衛生用品と食料品が並べられている。机の脇には、検品作業をした3人の事務局スタッフがマスクをして並んでいる

衛生用品(消毒液、石けん、マスク、使い捨て手袋など)や食料品(油、塩、砂糖など)を検品しながら、配付用のセットを作っていきます。左からパキスタン事務所スタッフのシャジハ・ハーン、ナビラ・マスード、ババール・アフターブ(2020年4月8日)

項目ごとに短いストレスに対応するためのアドバイスと関連するアイコンが書かれている

支援物資を届けるときにお渡ししているリーフレットには、健康を保つことや、コミュニケーションをとる大切さなど11項目のアドバイスが書かれています(WHO作成)

AARは、4月9日から支援物資を届け始めました。配付時には、AARスタッフが衛生指導を行い、正しい手洗いの方法や消毒液の作り方などを伝えました。また、支援を行う際には、物資を届けるだけではなく、心の面からのサポートも欠かすことはできません。

感染予防のためとはいえ、一日中家にいなければならない状況では、ストレスが高まりやすく、家庭内暴力や児童虐待が増加することが危惧されています。ストレスにさらされている子どもの中には、突然おねしょをするようになったり、いつも以上に親に甘えたりするなどの変化が見られることがあります。そのようなとき、なぜ子どもが普段と違う行為をするのかを保護者や養育者が理解していないと、思わず声を荒げたり手を出したりしてしまう危険性があります。

世界保健機関(WHO)は、このようなストレスに対応するための基本的なアドバイスが書かれたリーフレットを作っています。支援活動の計画作りには、精神保健福祉士の資格を持つAAR紺野誠二が関わり、WHOが発行しているウルドゥー語版のリーフレットをWHOパキスタン事務所と協議の上、配ることにしました。支援物資とともに情報を届けています。

正しい情報を届け、感染拡大防止を

物資を届けた家庭のひとつ、マリアムさん一家は、新型コロナウイルス自体や予防策については何も知っておらず、また、イスラム教徒で神さまとともに生きているので被害をもたらさないだろうとも話していました。そこで、AARスタッフから感染したときの危険性や、正しい予防方法を伝えたところ、マリアムさんは、「今後は予防に取り組みます。」と話してくれました。

物資配付先の家で、支援物資が入った段ボールをマリアムさんが受け取っている

部屋を清潔に保つことや手洗いの重要性を、AARスタッフから伝えました(パキスタン・ハリプール郡、2020年4月9日)

そのほかにも、
「お父さんは事故にあって歩くことができず、家計は大変です。自分たちの身を守るための衛生用品にまでお金が回りません。日本の皆さんからの支援に感謝します。」
「新型コロナウイルスが流行りだしてからは、仕事先に私が来ることを雇い主が嫌がり、このところ働けていません。食べ物はどうしようかと困っていて、衛生用品まで配慮できていませんでした。食料や石けんなどを本当にありがとうございます。」などの声をいただきました。

1人でも多くの方へ支援を

パキスタンでは引き続き物資配付を続け、障がい児がいる家庭や親がいない世帯などを中心に、全60世帯への配付を予定しています。また、ハリプール郡の教育・保健当局と協力し、ほかにも支援のニーズが高い方への配付も計画しています。
新型コロナウイルスの感染拡大を防止し、また1人でも多くの方へ支援を届けられるよう、皆さまのご協力をどうぞよろしくお願いいたします。

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    (トクヒ)ナンミンヲタスケルカイ
    みずほ銀行 目黒支店 普通 1110211 特定非営利活動法人 難民を助ける会
    (トクヒ)ナンミンオタスケルカイ

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