九州豪雨:熊本の福祉施設に緊急支援物資を届けました
九州から東日本へと被災地域が広がっております。このたびの豪雨により亡くなられた方々に哀悼の意を捧げ、ご遺族にお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆さまにお見舞い申し上げます。
観測史上記録的な大雨となった九州南部豪雨は、広い範囲で洪水や土砂崩れによる甚大な被害をもたらし、熊本県内だけで死者53人/心肺停止2人/行方不明12人に上り、山間部などの2,190世帯が孤立状態にあります(内閣府/7月9日午前6時30分現在)。大雨の中心は西日本から東日本に広がり、岐阜県などでも大きな被害が出ていますが、九州では今後も新たな被害の発生が懸念されます。
AAR Japan[難民を助ける会]は7月5日、NPO法人ピースプロジェクトと協力して、熊本県八代市、芦北町の避難所で炊き出しを実施しているほか、9日には同県人吉市で甚大な被害を受けた社会福祉法人「白いキャンバス福祉会」に緊急支援物資を配付しました。同福祉会は主に知的障がいのある方々の就労支援施設として、約20人の利用者が手織り機を使った「さをり織」、切り干し大根の袋詰めなどの作業に取り組んでいますが、近くを流れる球磨川があふれ、建物の1階部分が浸水しました。
AARは障がい関連団体などと情報共有して被害状況を調査する中で、同福祉会の被害を把握し、緊急派遣チームが施設を訪ねて扇風機、軍手、延長コード、作業服、アルコール消毒液をお渡ししました。職員やボランティアの方々が清掃作業に追われており、今坂豪志施設長は「施設復旧に向けて総出で掃除をしているので、支援物資を届けていただいて本当に助かりました」と話しておられました。同福祉会は利用者のための送迎用車両3台も浸水してしまい、運営再開に向けてさらなる支援を必要としています。
AARは大規模災害時、支援が届きにくい障がい者福祉団体・施設を優先して支援活動を行っています。今回は新型コロナウイルス感染対策として、遠隔でできる限りの情報収集を行い支援先を特定し、聞き取り調査に際して必ずマスクを着用するなど、細心の注意を払いながら活動しています。コロナ禍と豪雨の二重の困難に苦しむ被災地の方々を支え、一日も早く通常の生活に戻れるよう、皆さまの温かいご支援をよろしくお願い申し上げます。
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