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ウガンダ: 南スーダン難民居住地内で衛生用品を配付

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新型コロナウイルスの感染が広がるウガンダでは、953人の感染が確認され(7月8日現在)、人々は日々不安を募らせています。中でも病院や薬局へのアクセスが容易ではない難民居住地に住む南スーダンなどからの難民の不安は強く、マスクなどの衛生用品の必要性が高まっています。難民居住地の現状とAAR Japan[難民を助ける会]の緊急支援を、ウガンダ駐在員の宮崎充正が報告します。

手洗いやマスクの着用で感染拡大を防止


AARはウガンダ北部に位置する難民居住地で2016年から支援活動を行っています。これまでは教育分野を中心に、教室の建設や教員研修などを通して、主に南スーダンから難民となって逃れてきた子どもたちの学びを支える活動を行ってきました。しかし、現在は新型コロナの拡大に伴い、学校は休校となっています。AARは、活動再開の準備を進めるとともに、難民居住地内でも特に支援が届いていない地域の保健所や学校など47の施設でマスクや消毒液、手袋の配付を開始しました。これと併せて、人々が集まりやすい場所には手洗い用の水タンクを設置し、手洗いの重要性について啓発活動を行いました。

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物資配付にむけて準備をする現地スタッフ(6月16日/パロリーニャ難民居住地)

難民居住地で募る不安

難民居住地は住民がいつでも病院に行けるような環境にはなく、また病院に行けたとしても日本のような近代的な医療を受けることはできません。加えて人口が増え続ける難民居住地では人が密集して暮らす場所もあり、万が一感染が広まってしまうと取り返しのつかない事態になりかねません。そうした状況を招かないためにも、新型コロナに対する予防を徹底する必要があります。

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難民居住地の病院(ヘルスセンター)には、職員が数名しかおらず、簡易的なベッドがあるだけの場合が多い。(6月17日/パロリーニャ難民居住地)

感染の恐怖より、飢餓や暴力に対する恐怖

ウガンダの難民居住地内では、幸い新型コロナの爆発的な流行は起きていませんが、感染に対して過度の心配をする人は少なくありません。AAR職員がある学校に手洗い用の水タンクを届けた際には、ウイルス感染の恐怖のためか、窓から顔だけを出した教員から「近寄らないでくれ」と言われたこともあります。AAR職員は毎朝出勤時に検温を行い、マスクや手袋を着用し、物資配付時のサインに使うペンも消毒するなど、感染拡大の防止に努めています。ただ難民居住地内の限られた情報では、新型コロナやその予防方法に関して確かな知識を持っている方は少なく、過度に不安だけが煽られる状況に陥っていることも確かです。そうした不安を軽減するためにも、どういったことが危険なのか、どうすれば感染を防ぐことができるのかを知ってもらうための地道な啓発活動が求められています。

初めて支援物資が届いた

物資の配付先からは喜びの声が寄せられています。ある保健所ではマスクや手袋の使用が義務付けられているにもかかわらず、物流の停滞と衛生用品の価格高騰のため、職員が防護用品なしに働かざるをえない状況が続いていました。保健所で働く職員の感染のリスクは高く、マスクや手袋なしに勤務することは危険であったため、AARからの物資の配付に、保健所の職員の方から何度も感謝の言葉をいただきました。

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物資配布時に感謝を伝えてくれた現地の教員(左)現地スタッフ(右)(6月24日/パロリーニャ難民居住地)

また難民居住地内でもアクセスしにくい場所に位置する学校では、AARの車が到着した際に歓喜の声が上がりました。これまで政府や他の団体からの援助が一切届かず、AARの配付物資が初めての支援だったようです。物資の受け取り時には「こんな辺鄙な場所にある私たちの学校まで物資を届けに来てくれたのはAARだけです。日本から支援を届けていただき本当にありがとう!」と学校の先生が満面の笑顔を見せてくれました。その先生の声を聞いて、近所の子どもたちが自然と集まり、何も言わずに手洗い用の水タンクの設置を手伝ってくれました。

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配付を手伝ってくれる子どもたち。後ろに見えるテントのような建物が教室(6月22日/パロリーニャ難民居住地)

難民の命を守るための支援を


AARは今後も難民居住地内の保健所や学校に衛生用品を届けるとともに、感染拡大を予防するため、啓発活動や手作りマスクの作製講習を行う予定です。値段が高騰しているマスクは難民居住地でも特に必要性が高まっています。難民居住地内で手に入る材料を使ってマスクの作り方を伝えることにより、難民居住地の人々が自らの命を自らで守ることができるような仕組みを整えたいと考えています。


未だ新型コロナの感染拡大の勢いが止まらないウガンダでは、長い目で感染予防の対策を講じる必要があります。難民居住地の人々の生活を守るためにも継続的な支援が必要です。今後も支援を届けていくために、皆さまのご協力をどうぞよろしくお願いいたします。

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    【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

     ウガンダ事務所 宮崎 充正

    2019年10月よりウガンダ事務所に駐在。大学で教育学を専攻。卒業後、青年海外協力隊員の理科教員としてマラウイ共和国に派遣。任期終了後、英国の大学院で教育開発学修士を取得したのちにAARへ。徳島県出身。

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