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福島の福祉施設に車両提供:昨年の台風19号被災者支援

2020年08月28日  日本緊急支援
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今夏も九州豪雨(7月上旬)を始め、各地で自然災害が相次ぐ中、昨年10月に令和元年台風第19号に見舞われた被災地では、日常生活を取り戻す取り組みが着実に進んでいます。AAR Japan[難民を助ける会]はこのほど、福島県いわき市の社会福祉法人いわき福音協会が運営する指定生活介護事業所ポポロに、送迎用福祉車両1台と製菓・製パン用オーブンを提供しました。

オーブンにいくつもの焼き立てのパンが並んでいる

復旧した製菓作業場の様子

同事業所では、障がいのある25人の利用者が製菓・製パン事業に取り組んでいましたが、台風19号の大雨で近くを流れる夏井川の堤防が決壊し、施設が約1.2メートルの浸水被害を受けました。保有していた車両4台のうち3台が水没し、オーブンなどの設備が全て使えなくなってしまいました。作業所は事業を一時中止し、同法人の別の施設を間借りして4月から活動を再開したものの、本格的な作業ができないため、利用者への工賃の支払いもできずにいました。

同事業所で8月18日、車両とオーブンの贈呈式が行われ、藁谷健一理事長、金野小百合所長にAAR Japanの大原真一郎から贈呈品の写真をお渡ししました。おふたりは「職員の車両で送迎するなど苦肉の策で対応してきましたが、これで状況が改善されます。製菓・製パン事業では被災前の製品を復活させることができました」「水害直後にAARが最初に支援に来てくれて、物心両面において助かりました。事業を被災前の状態に戻すのは諦めていたので、まさか元通り活動できるようになったことに驚くとともに、支援に感謝しています」と話しておられました。

贈呈式用に壁面に、難民を助ける会 寄贈品贈呈式といった紙が張られ、装飾されている 3人はその前に立ち写真撮影

車両とオーブンの贈呈式。左から金野所長、藁谷理事長、AAR大原(2020年8月18日)

AARは国内災害に際して、支援が届きにくい障がい福祉施設などを中心に支援活動を行っています。特に新型コロナウイルス感染拡大が続く今年は、感染防止に最大限配慮しながら支援活動を実施しています。AARの被災者支援活動へのご理解・ご支援を重ねてお願い申し上げます。

青空の下、施設の駐車場に停車された車両を背にして、大原や利用者さん数名が立っている

寄贈された車両と利用者の皆さん(2020年8月18日)

【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

大原の顔写真

東京事務局 大原 真一郎

大学卒業後、製造メーカーでの勤務を経て、2011年8月にAARに入職。仙台を拠点に岩手、宮城、福島で復興支援を行う。また、2016年熊本地震、2018年西日本豪雨、2018年北海道地震の際もAAR緊急支援チームのメンバーとして出動し、被災された方々に寄り添った支援を行っている。宮城県仙台市出身

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