トルコ沖地震:被災者の住宅支援を開始
10月30日に発生したトルコ沖地震(マグニチュード7.0)は、同国西部の都市イズミルを中心に建物の倒壊による死者116人、負傷者1,000人以上の大きな被害が出ました。AAR Japan[難民を助ける会]は現地協力団体を通じて衛生用品の配付を実施してきましたが、全半壊した建物に加え、崩落の危険があると判断された多くの建物の撤去が決まり、新たに住む場所を必要とする約2万4,000人の被災者に対する住居の提供が求められています。現地から報告します。
衛生用品「コロナ予防に役立った」
イズミル一帯では現在、冬季を迎えて、多数の被災者が仮設テントでの避難生活を余儀なくされています。AAR Japanは以前に協働した実績のある現地NGO「Support to Life」(STL)を通して、人々の密集による新型コロナウイルスの感染拡大が懸念される避難所で、マスクやゴム手袋、ウェットティッシュ、女性用の衛生用品などの支援物資セットを1,156世帯3,475人に届けました。支援物資を受け取った被災者からは次のような声が寄せられています。
「避難所でもコロナ感染が出るだろうと危惧していたので、マスクやせっけん、消毒液がとても役に立っています」(男性)
「避難所に来てすぐに渡された衛生用品は数が足りませんでした。AARとSTLの衛生用品セットは数量も充分で、感染防止に役立っていると思います」(女性)
「家族と避難所に来てから、ボランティアとして物資配付を手伝っています。AARとSTLの衛生用品は、紙おむつなどもあって中身が充実していて助かっています」(男性)
新居の問い合わせが殺到
イズミル市当局は、今後の余震などで倒壊する恐れがあるビルや家屋の撤去を決定するとともに、仮設住宅の建設を行っています。避難所で過ごす被災者や家屋の取り壊しが決まった家族には、仮設住宅や郊外の市営アパートへの入居手配が進められていますが、戸数には限りがあります。また、通勤・通学などの生活事情から、元の家の近くでの暮らしを希望する世帯もあり、すべての被災者が公営の住宅に入居できるわけではありません。震災後に立ち上げられた空き住宅情報オンラインサイトには、新居を必要とする8,400件以上の申請が寄せられていますが、このうち新居が見つかったのは約半数で、残りの家族は引き続き支援を必要としています。
新たな住居を探すにあたって、家賃を支払えるかどうかは大きな問題です。震災前からコロナ感染拡大によって収入が減少した世帯も多く、AARは支援物資配付に続く支援として、被災世帯が一刻も早く安全な新居に移り生活を再建できるよう家賃の補助を行うことにしました。収入や世帯数、障がいの有無などを確認したうえ、特に脆弱性が高いとされる4世帯が対象です。この4世帯にはSTLを通じて今後5カ月分の家賃に相当する金額を支援します。
現地では冬季を迎えて気温が急速に下がり、風雨の強い日も増えてきました。AARは被災者の方々が少しでも安心して年を越せるように支援を続けてまいります。
*トルコ沖地震の緊急支援募金は締め切りました。たくさんのご支援ありがとうございました。
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