カフェ店内に展示。お食事とともに楽しみませんか
AAR Japan[難民を助ける会]は、2020年8月から10月にかけて、事業地の難民・避難民の居住地に掲示する、新型コロナウイルス対策への衛生啓発用のポスターデザインを公募いたしました。難民・避難民キャンプ地の多くで予防措置などの情報が充分に行き届いないため、ポスターを通じて、子どもや大人、民族や言語に関わらずビジュアルで注意喚起を促すことを目的としています。
老若男女問わず多くの皆さまよりご応募いただきました。東京での展示会に続き、佐賀でも開催いたします。156点の応募作品のなかから一部を展示します。お気軽にお立ち寄りください。
―世界の難民・避難民を新型コロナウイルスから守ろうーSave with Art ポスターデザイン作品展@佐賀
日時 |
2021年1月10日(日)から2月22日(月)
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会場 |
「Arukカフェ」 佐賀県佐賀市唐人2-5-7 1階 アクセス:JR佐賀駅から徒歩9分、佐賀大和ICより車で約16分 電話:080-5874-2805(Arukカフェ)
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開場時間 |
午前11時から午後9時 (定休日:火曜日) ※日曜日は午後6時30分で閉店する場合もございます。
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主催、問い合わせ |
AAR Japan[難民を助ける会]佐賀事務所 Mail:aarsaga★aarjapan.gr.jp(★を@に変更ください) 電話:0952-37-5380 |
備考 |
・新型コロナウイルス感染予防のため、当日はマスクの着用をお願いします ・熱や咳などの症状がある場合は、来場を見合わせてください |
※受賞した31作品をこちらからご覧いだけます
※AARのインスタグラムのストーリーでも作品を紹介しています。
※受賞者の方へインタビューをしました。ぜひご覧ください。
最優秀賞:坂東栄里佳さん 優秀賞:アラア・アブアルハイジャさん
優秀賞:石川聖佳さん 優秀賞:富永康太さん
優秀賞:みやざきあけ美さん 特別賞:後藤愛実さん
受賞者インタビュー |
審査で評価の高かった6人の方へ、以下の質問にお答えいただきました。 1. 創作活動について、これまでの経歴や普段の状況などを教えてください。 2. 本企画を何で知りましたか。 3. 作品制作にあたって重視したことは何ですか。 4.今回の制作を通じて得たものや考え方の変化など、難民や、関連する問題に対して思うことがあれば教えてください。 5. 創作活動や社会貢献活動について、今後の展望を教えてください。
最優秀賞:坂東栄里佳さん 1. 幼い頃から絵を描くことが好きで、現在通っている専門学校もデザインを中心に勉強ができるため入学しました。普段は、学校でWebデザインやグラフィックデザインの勉強をしています。 2. 学校でコンテストの紹介を受けました。 3. ポスターを見る人が言葉が通じない場合でも、人との距離をとることなどのメッセージが伝わるようなデザインを心がけました。 4. 今回の制作を通して、遠い世界で起こっている問題という認識を変えることができました。今私たちにできることを一つずつこなすことが、難民問題に対してできることだと思います。ポスターを通じて、新型コロナウイルスの予防法などを一人でも多くの難民・避難民の方々に届けられたら嬉しいです。 5. 今後もデザインを通じて様々な人のお役に立てるよう、邁進していきたいです。
優秀賞:アラア・アブアルハイジャさん 1. 実は、私自身がパレスチナ難民で、現在はヨルダンで妻、3人の子どもと暮らしています。幼少期から絵に興味があり、絵画は独学で学びました。普段は、1ヵ月以上仕事がないこともよくありますが、室内の装飾品のデザインや取り付ける仕事をしています。 2. 日本に住むヨルダン人の友人から「応募してみたら?」と声をかけられました。 3. マスクを着用すること、お互いの距離を保つ社会にするために、メッセージを届けたいと思いました。特に、貧しい国ではマスクを手にできなかったり、コロナについての正しい情報が行き届いていないことも多いです。一日も早くコロナが収束することを願ってやみません。
制作にあたり、実際にお嬢さまにポーズを取ってもらっている様子
4.これまで、絵を使ってどう働けばいいのかを常に考えていましたが、絵を描くことが多くの人々への力になったり、助けにつながるという希望を、当企画は教えてくれました。耳が聞こえない人や字が読めない人にとって、絵は直接的にメッセージを伝えられことを再認識しています。周囲に多くいるイスラム教徒の中には、いまだに絵は非道徳的だと考える人が多いです。今回の受賞についても、複数の友人からイスラム教に反したものではないかと聞かれました。確かに、絵画は誰かの心に大きく影響し、傷つけることもあります。しかし、それは信仰に関係はなく、誰かの心に良い影響を与えられるような絵は決して非道徳ではないと思います。 5. 私たち難民の多くは、自由が限られ、ただ家に座っているだけの日もあります。今回の受賞は、そんな私たちにとって希望の光とも言えます。難民だからといって諦めるのでなく、チャレンジした先にチャンスがあるかもしれない、そう思わせてくれました。
優秀賞:石川聖佳さん 1. 個人のお客様にオーダーメイドイラストをご提供したり、SNSにオリジナル作品を投稿するなど、小規模ではありますが創作活動に日々励んでいます。当公募が初の受賞歴となり、心から嬉しく思います。 2. テレビ番組で特集されていたAARさんの活動を、偶然目にしたことがきっかけです。コロナ禍でご自身が大変な中でも、難民の方々へ救いの手を差し伸べ続ける駐在員の方々の姿に時を忘れ釘付けになり、「微力ながら私もお手伝いがしたい」と思い立ち、すぐに筆を執りました。 3. まずは、言語・年齢・性別を問わず、誰もがひと目で「必要な感染予防法」を認識できること。次に、植物や明るい色を用いて、みる人の心に潤いをもたらすこと。描いた花は、各国の難民キャンプ地周辺に生息している花をモチーフにしています。身近にある美しい自然と鮮やかな色彩を目にすることにより、心の健康も保てますように、という願いを込めました。 4. 制作にあたり難民の現状や背景を勉強し、悩み考えながら描き進めるうちに、「もし受賞できたら賞金の全額を難民支援事業へ寄付したい」「啓発ポスターと寄付により、難民の方を一人でも多く救いたい」という気持ちが芽生えました。この思いが、創作への強い原動力になっていることに気づき、自分でも驚きました。難民受け入れ数がまだ少ない日本では、難民キャンプの環境に身を寄せる機会に乏しいですが、今この瞬間も海の向こう側で困難な状況下にいる一人一人に思いを馳せると、決して他人ごとではないことに気づくはずです。 5. 国内外問わず、人々の幸せに繋がる創作活動を行っていきたいです。私のビジョンを形作るきっかけをくださった本企画に、心より感謝申し上げます。
優秀賞:富永康太さん 1. 私は今年4月に美術大学に入学しました。しかしコロナ禍のためあまり通学できていない状況です。そんな時、新聞でAARさんの企画を見かけ、私より困っている人達がいるのなら何か手助けはできないか、と思い応募しました。作品を応募したのは初めてでした。 2. 新聞の記事を見て知りました。 3. 絵を見てすぐにメッセージが伝わったらよいと考えました。現在コロナウイルスで世の中が暗く悲しい状況なので、明るく元気が出て笑顔になれるような作品を作りたいと思いました。幼い子でも分かるように英語や文字を使っての表現を使わないようにしました。 4. 世界の状況を見て、日本のコロナに対する危機感が低いことをより一層感じました。また、難民の方々がコロナで困っていることを本企画で知り、自身の周りだけを見るのではなく、もっと視野を広げて世界の状況を把握しなければならないと感じました。 5. 今後もこのような形や、違う形で社会貢献活動ができればいいと考えています。様々なことに挑戦していきたいと考えています。
優秀賞:みやざきあけ美さん 1. 東京造形大学美術科卒業後、印刷業界での勤務やシステムエンジニアとして働いた後、現在に至ります。育児を通して絵本に魅せられ、自ら創作絵本の制作を続けています。出版物に「ゆみちゃんはねぞうのわるいこです」(BL出版)があります。 2. 朝日新聞の記事で知り、AARさんのホームページで内容を確認しました。 3. 現地で掲示されることを想定し、明るい色調の優しい雰囲気にしたいと思いました。コロナ禍の中、人種や文化の違いなど複雑な問題が絡み合っている事を視野に入れ、2種類の違う動物を登場させ、感染防止のためにお互いが希望をもって支えあえるような図を考えました。希望を表す虹の色は、キリンと猿の背中合わせで支えあう形を活かし、虹色は控えめにしました。 4. AARさんのホームページの「顔を見ただけで『近寄らないでくれ』と言われた...」というお話を読み、難民の方々が、コロナの感染で生活がさらに厳しい状況にあることに心が痛みました。世界で様々な立場の方が、家族や大切な人を守るために一生懸命希望を持って未来を見つめ続けているように、決して絶望に心を沈ませずに、お互いに支えあうような環境であってほしいと思います。 5. 親子で笑い合うひと時をお手伝いできるように、絵本作家として精進を重ね、絵本制作を続けていきたいと思います。
特別賞:後藤愛実さん 1. 中学校で美術部に所属しています。美術部では、昨年は地域のごみ拾いをして、ポイ捨てごみの多さに驚き、仲間と「日本を美しい国に」というテーマで統計グラフを制作しました。また、世界平和ポスターコンクールにも応募して、それぞれ賞をいただくことができました。 2. 美術部顧問の先生が、世界の難民の子供たちをコロナから守るポスターコンクールがあるから、みんなで挑戦してみませんか?と声をかけてくださいました。 3. 顧問の先生から伺ったAARの皆様の支援活動の様子を、できるだけ今回のコロナ予防のポスターの中にも取り入れたいと思いました。とにかく手洗いが基本だと思って、手を大きく描きました。 4. 世界には、私が今まで知らなかった大変な環境で生きる人たちがいることを知りました。そしてその半数が子供であることも、先生に聞いて初めて知りました。私のポスターが、コロナ予防の一助になればうれしいです。でも本当は、「難民」と呼ばれる子供たちが普通に学び、安心で安全な、未来に希望の持てる生活になれば、もっと嬉しいです。 5. 私の夢は建築士になって、みんなが住みやすく美しい建物を建てることです。戦争などでその建物が壊されるのは嫌です。ゴミだらけの土地にも立てたくありません。だからこれから、様々な勉強が必要だと思っています。またこれからも、作品制作で社会に役立てることがあれば挑戦していきたいです。
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