スーダン・カドグリ事務所
山浦 遼
折り紙、けん玉、ジャンケン大会...スーダンで日本文化を紹介
2009年1月よりスーダン北部のカドグリ事務所駐在。教育大学で教員免許を取得。卒業後、青年海外協力隊の小学校教諭としてウガンダに赴任。帰国後難民を助ける会へ(宮城県出身)
記事掲載時のプロフィールです
アフリカのスーダンで、日本文化を紹介する初の試みを行いました。さてその成果は...?山浦遼駐在員が報告します。
日本ってどんな国?
2月21日から22日にかけて、難民を助ける会は在スーダン日本国大使館と共催で、日本文化を紹介するイベントを開催しました。
21日は難民を助ける会の事務所があるカドグリのシマ女子小学校で、また22日はカドグリから車で1時間南下したファマという小さな村のファマ小学校での開催でした。
この日本文化紹介は、スーダンでは初めての試みです。日本文化を伝えるためにはどうするか、日本大使館側でこのイベントの担当である岡部繭子書記官と話し合い、地図を用いた簡単な日本紹介の後、①折り紙、②けん玉、③ジャンケン大会、④スイカ割りを行いました。
初めて折り紙に挑戦
折り紙では、鶴とカブトにチャレンジしました。岡部さんの丁寧な説明を、子どもたちは真剣に聞いていました。また、難民を助ける会の現地スタッフも事前に折り方を習得し、難しいところは子どもたちに個人指導。どちらも何とか完成して、みんな笑顔で記念撮影ができました。
とても気に入ったようで、私たちが帰るときもカブトをかぶったまま手を振っていた子どもたちの様子がとても印象的でした。もしかしたら、近い将来カドグリで道を歩いていたらカブトをかぶった子に遭遇、なんてことがあるかもしれないと期待しています。
ブームになるか?!けん玉あそび
続いてのけん玉は、子どもたちには全く未知のおもちゃです。最初は力の加減が難しく、糸が伸びきってしまうまで力いっぱい持ち上げてしまったり、遠くに玉が飛んでいってしまったり、上手くコントロールができませんでした。
ところが、コツを覚えて成功する子どもたちがでてくると、お互いに教えあって続々と成功者が。なかなか上手くできなかった子が友だちのアドバイスを受けて成功し、喜びを抑えつつもはにかんでいた様子が可愛らしかったです。
ジャンケン大会で「無欲の勝利」?!
ジャンケンも、スーダンでは一般的なものではありません。ちょっと理屈は難しいけれど、一通りのルールを覚えた後は、とにかくジャンケン大会へ。
大きい子どもたちはすばやくルールを理解して、勝とうと必死。一方で、ルールが今一つピンと来ない、という感じの小さい子たちは、勝負に勝っても、悔しがるお兄ちゃんお姉ちゃんたちを尻目に「何が起こったの?」という表情。「無欲の勝利」という言葉を実感しました。
大盛り上がりのスイカ割り
イベントを締めくくるスイカ割りは、普段礼儀正しいスーダンの子どもたちに対して、「割れるくらい強くたたけるかな」と内心心配していました。しかし、始まってみると、小さな女の子もスイカが真っ二つに割れるほどの快心の一撃。そして、それに留まらずにとどめの二発、三発、四発…。
当初の心配はどこへやら、気がついたときには「ストップストップ!」と声を張り上げていました。
スイカは粉々になってしまいましたが、大喜びの子どもたちにとっては、甘くて美味しい思い出になったことでしょう。
日本を知るきっかけに
私の暮らしている南コルドファン州には、現在日本人は私を含めて2人しかいません。そのため、地域の人々は日本について知る機会もあまりなく、具体的なイメージが持ちにくいようです。また、多くの中国人が仕事に来ているので、地域の人にはよく中国人と間違われます。他に、アフリカでも人気のジャッキー・チェンが日本人であると勘違いされたり、中国語と日本語は同じだと思われることも多いです。
今回の文化行事は、国と国とのつながりとしては小さな一歩かもしれませんが、日本という国を知ってもらう良いきっかけとなっていれば嬉しいです。