
活動レポート
スーダンの人々を思いながら:帰国のご報告
2023年5月2日
スーダンは北東アフリカに位置します。
1956年にイギリス・エジプトから独立する際、北部と南部で内戦が勃発し、
2011年の南スーダン独立まで約半世紀にわたって紛争が続きました。
内戦や経済制裁によって国内は疲弊し、人々の生活に深刻な影響を与えています。
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面積 | 188万平方キロメートル(日本の約5倍) |
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人口 | 4,281万人(2019年/世界銀行) |
首都 | ハルツーム |
人種・民族 | 主としてアラブ人、ヌビア人、ヌバ人、フール人、ベジャ人等(200以上が混在) |
言語 | アラビア語(公用語)、英語も通用、その他多数 |
宗教 | イスラム教、キリスト教、伝統宗教 |
※出典:外務省ホームページ
「顧みられない熱帯病」(NTDs)※のひとつに、スーダンにも患者がいる「マイセトーマ」があります。 細菌や真菌が原因となって筋肉や骨を冒していく感染症で、足や手などに炎症が生じ、重症の場合は四肢の切断が必要になります。同国ではマイセトーマに関する知識が十分でなかったり、医学的根拠のない処置をしたりして適切な治療が遅れる例が見られます。また、発症した患者が周囲から偏見を受けることもあります。
※顧みられない熱帯病(neglected tropical diseases:NTDs):熱帯地域を中心に蔓延する感染症で、これまで主要な疾患とは考えられず、十分な対策がとられてこなかった疾患群。患者の大多数が貧困層で、採算の合わない治療薬などの研究開発は積極的に行われていない。
8,000人
以上
8,000人を超えるマイセトーマ感染者が報告 ※1
マイセトーマに罹り、足を切断した男性。自分で作った義足で生活している
現地のマイセトーマ研究所や提携団体と協力して対策活動を行っています。発症しても早期に受診・治療すれば、四肢の切断に至らずに済むこともある病気ですが、重症化してから受診する人が少なくありません。この病気について住民に啓発を行う団体や機関もほとんどないのが実情です。AARは感染者が多い州を中心に、正しい知識や早期受診の重要性を広めるための啓発活動を進めるとともに、マイセトーマ研究所やハルツームにある大学病院から医療スタッフをボランティアで派遣して、患者の手術や治療を行っています。
「家族の役に立てるようになって嬉しい」
ゼイナブさん(31歳)
マイセトーマが重症化し、右足の切断手術を受けました。手術後は外出が難しくなり、家の中で1日過ごすような毎日でした。けれど、義足を受け取って、今では水汲みや買い物に出かけられるようになりました。家族の役に立てるようになったことが何よりも嬉しいです。