カンボジア Cambodia

©Yoshifumi Kawabata

カンボジアはインドシナ半島南部に位置する東南アジアの国です。
ベトナム戦争の余波で1970年代以降、ポル・ポト政権時代を含めて内戦や混乱が続きました。
現在は都市部を中心に経済発展が進む一方で、農村部では貧困が根強く残っています。

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カンボジアの基本情報

面積 181,035平方キロメートル
人口 15.3百万人(2019年カンボジア国勢調査)
首都 プノンペン
民族 人口の90%がカンボジア人(クメール人)とされている。
言語 クメール語
宗教 仏教(一部少数民族はイスラム教)
カンボジアとその周辺国の地図

※出典:外務省ホームページ

取り組む課題 Issues

カンボジアでは、教育環境が整っていなかったり、周囲の理解が得られないなどの理由で、障がいのある子どもたちの多くが学校に通えていません。政府はそのような状況の改善に向けて、障がい児教育に関する国家方針の制定や、障がい児教育を専門とする大学の設立など、制度の整備を進めています。しかし、インクルーシブな学習環境に必要な基準が示されていなかったり、具体的にどのような対策が必要かが分かりにくいなど、学校や教育の現場では多くの課題が残されています。

  • 56%

    障がい者の識字率は、
    全国平均約80%に対して約56% ※1

  • 60%

    15-19歳の障がい者のうち、60%弱が
    未就学または小学校を修了していない ※2

参照
※1 https://cambodia.unfpa.org/sites/default/files/pub-pdf/Disability26Dec2013.pdf
※2 Global Initiative On Out of School Children Cambodia Country Study (draft)
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Ocha Humanitarian iconsを使用・加工

活動 Activity

すべての子どもたちが
学校で学べるように

両足に歩行器を付け、両脇を友人に支えられながら歩く女の子©Yoshifumi Kawabata

AARの支援で歩行器を使って歩けるようになり、学校に通って学ぶチャリヤさん

障がいの有無にかかわらず、子どもたちが個々の特性やニーズに応じた配慮を受けながら一緒に学ぶインクルーシブ教育を推進しています。モデル地域では障がい児の教育支援体制の確立を目指した取り組みを継続し、その経験を他の地域にも伝えています。また、障がい児の身体状況や医療支援の必要性に応じて専門機関に照会し、診察やリハビリ等の必要な支援を行っています。

車いすによって
社会参加の第一歩を

男性が鉄製のような機械に座って作業を行っている

車いす工房では、障がい者のあるカンボジア人職員も働く。製造・配付・修理を一貫して行う。

AARが1994年から運営してきた車いす工房は、2006年に現地NGOとして独立しました。工房では、カンボジアでも入手可能な資材を使って車いすや歩行器などの補助具を製造し、障がい者に無償で配付しています。配付時には、簡単なリハビリや家族への介護指導、専門機関の情報提供などのサポートも行っています。AARは運営団体への資金的な支援だけでなく、事業運営や財政管理などの職員の能力強化をサポートしています。

これまでの主な活動

  • 1993年~1996年

    子どもたちへ
    文房具などを配付

    AARのスタッフから支援物資をもらい、両手を合わせながら軽くお辞儀をしている少年

    手作りのポシェットに生活用品や文房具類を入れて現地の子どもたちに贈る「愛のポシェット」運動を実施。

  • 1996年~1999年

    地雷除去活動を支援

    フェイスシールドを付けながら地面にかがんで地雷除去作業をしているスタッフ

    イギリスの地雷除去専門団体「ヘイロー・トラスト」と協力し、カンボジアでの地雷除去活動を実施。

  • 1993年~2011年

    障がい者のための
    職業訓練校を運営・支援

    ブラウン管テレビの組み立てを行っている

    障がい者が縫製、バイク修理、ITなどの技術を習得し、就労につながるように支援。

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声・ストーリー Voice & Story

カンボジアからの声

  • 歩行補助具を友人に押してもらいながら笑顔で歩く少年とそれを取り囲む友人たち

    「友だちができ、
    字が
    読めるようになりました」

    ソティアラくん(10歳)

    息子は生まれつきいくつかの障がいがあり、学校に通ったことがありませんでした。しかし、AARの支援や先生・地域の人々の協力によって、今では学校に通えるようになり、友だちと楽しい時間を過ごしています。以前よりも発話が明確になり、文字も少しずつ読めるようになっています。また、補装具を使わずに歩ける距離が長くなり、トイレにもひとりで行けるようになりました。(両親へのインタビューより)

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  • 机に向かって、青い布で車いすにつける座席カバーを作っている女性

    「工房で働けることが
    何よりもうれしい」

    ピンさん(55歳)

    生まれつき左足に内反足の障がいがあります。AARが運営していた職業訓練校で裁縫技術を学び、今はAARが設立した車いす工房(2006年に現地NGOとして独立)で働いています。製造スタッフとして、車いすにつける座席カバーなどを作っています。

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