
活動レポート
トルコ地震から3カ月 被災地は今
2023年5月2日
西アジアと東ヨーロッパにまたがるトルコは、
古くから東西文明の懸け橋として豊かな歴史と文化を誇ってきました。
しかし、周辺の中東地域では紛争が絶えず、内戦が続く隣国シリアなどからの難民を、
2021年末時点で、世界で最も多く受け入れている国です。
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面積 | 780,576平方キロメートル(日本の約2倍) |
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人口 | 83,614,362人(2020年、トルコ国家統計庁) |
首都 | アンカラ |
民族 | トルコ人(南東部を中心にクルド人、その他アルメニア人、ギリシャ人、ユダヤ人等) |
言語 | トルコ語(公用語) |
宗教 | イスラム教(スンニ派、アレヴィー派)が大部分を占める。その他ギリシャ正教徒、アルメニア正教徒、ユダヤ教徒等 |
※出典:外務省ホームページ
2011年から続くシリアでの内戦を逃れてきたシリア難民360万人※のほとんどは、トルコの難民キャンプではなく街中で生活しています。合法かつ安定した収入が得られる仕事に就くことは困難で、十分な情報が得られないために公共サービスにアクセスすることができない難民も少なくありません。避難先の地域で地元住民との摩擦も生じています。
42%
難民の98%は街中に住み
42%は貧困の状態 ※1
97%
仕事を持つ難民のうち97%は
労働許可を取得していない ※1
34%
難民の34%は公的サービスへの
アクセスが困難な状態 ※2
78%
トルコ人の78%が難民によって
治安が悪化したと感じている ※3
AARが提供した車いすに乗るシリア難民の女性
子どもや障がい者など、特に支援を必要とする難民が、医療、教育、法的手続きなど、公的サービスを受けられるよう支援しています。また、行政サービスが十分でないリハビリテーションや車いすなどの補助具は、AARが直接支援しています。
難民が日々の生活で生じる課題を共有し合い、地域でできる解決方法を一緒に考える委員会
地域の中で難民同士がともに支え合って暮らしていけるように、コミュニティづくりの支援を実施してきました。現在は障がい者を優先的に受け入れ、障がいがあっても参加できるグループ活動や、イベントなどを提供しています。
難民が利用可能な公共サービスなどを学ぶ地域のボランティアたち
現地団体とボランティアが、難民の保護や個別支援、障がい者支援などを自分たちの力だけで実施していけるよう、コミュニティに根差した保護の方法や、専門機関への照会方法などをトレーニングしています。
2011年~2012年
トルコ地震緊急支援
10月23日(現地時間)にトルコ東部で発生したマグニチュード7.2の地震を受け、緊急支援チームを派遣。食料や生活必需品を配付。
2012年~2013年
障がい児支援プロジェクト
特殊教育リハビリセンターに歩行補助具や教材など供与し、障がい児のリハビリの強化と社会参加促進を支援。
2017年~2020年
チャイルドフレンドリー
スペースを運営
子ども向けの活動を提供する施設を運営。シリア難民とトルコ人が交流する機会を設けながら、子どもたちが安心して遊び、成長する機会を提供。
「学校に行って書くのが
楽しい!」
タレクくん(仮名/10歳)
息子には脊髄の疾患があり、歩けずに学校にも通えていませんでした。けれど、AARの支援で車いすと歩行器を受け取り、理学療法を受け、今では元気に通学しています。息子は、学校ではたくさん友だちができたし、ライティングの授業がすごく楽しいよ。将来は先生になりたい、と嬉しそうに話してくれます。(両親へのインタビューより)
「ママの顔もよく見える!」
マハちゃん(1歳)
マハは、生まれつきの斜視がどんどん悪化して、視力や視界に影響が出ていましたが、家計が厳しく高額の治療を受けることはできませんでした。AARの支援で手術を受けられて、今は物をちゃんと見られているのが表情からよく分かります。(両親へのインタビューより)