
アフガニスタンの避難民・困窮世帯に食料配付
活動レポート
2022年4月5日
アフガニスタンは中東とアジア地域の間に位置する内陸国です。
1978年のクーデター、旧ソ連軍の侵攻とその後の内戦、
タリバンによる支配など、40年以上にわたって混乱が続いています。
2021年の政権崩壊以降、食料不足など深刻な人道危機が生じています。
現在、緊急支援を実施しています。
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面積 | 652,225平方キロメートル(日本の約1.7倍) |
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人口 | 2,916万人(2016年~17年アフガニスタン中央統計局) |
首都 | カブール |
人種 | パシュトゥーン人、タジク人、ハザラ人、ウズベク人等 |
言語 | 公用語であるダリー語、パシュトゥー語の他、ハザラ語、タジク語等 |
宗教 | イスラム教(主にスンニー派のハナフイ学派であるが、ハザラ人はシーア派) |
※出典:外務省ホームページ
1979年の旧ソ連軍侵攻以降、アフガニスタン各地で続いた戦闘によって、数多くの地雷・不発弾が存在しています。2010年代以降は即席爆発装置(IEDs)※が頻繁に使用されるようになり、人々が被害に遭うリスクが高まっています。また、地雷被害者を含む障がい者の権利が十分に保障されておらず、基礎教育や医療・福祉サービスを受けられない障がい者も多くいます。また、2021年8月の政権崩壊以降は、数十万人規模の国内避難民が発生しています。
※即席爆発装置。通称「IEDs:Improvised Explosive Device)」と呼ばれ、被害の数は年々増加している。ポリタンクや缶など身近なもので製造ができ、多様な形状をしている。
2,000人
以上
年間約2,000人以上が地雷・不発弾で死傷。
その内40%は18歳以下の子ども ※1
90万
人
全人口の約3.2%にあたる約90万人が
障がい者 ※2
2021年8月の政権崩壊以降、政情不安が続き、数十万人規模の国内避難民が発生しています。食料価格が高騰し、子どもや妊婦を含む多くの人々が深刻な栄養不良の危機に直面しています。AARは、避難民となった人々にに食料や毛布などを配付する緊急支援を実施しています。
AARが作成した地雷から身を守る方法などが載っている教材を受け取る子どもたち
地雷や不発弾、即席爆発装置(IEDs)などの被害に遭わない方法を伝える活動を実施しています。ポスターやボードゲームを用いたり、短編映画を村で上映したりして、子どもたちにも分かりやすいように地雷回避教育を行っています。年間約6万人以上、これまでに100万人以上に危険を回避するための情報を届けてきました。
穴にボールをはめて大きな点字が作れる教材を使い、点字のアルファベットを学ぶ子ども
障がいの有無にかかわらず、子どもたちが学校で学べるように、インクルーシブ教育の推進に取り組んでいます。バリアフリー設備の設置、障がい児が手話や点字を学ぶための教員研修の実施など、教育環境の改善を行っています。また、障がい児に対する理解を促進するため、学校関係者や地域住民に対してワークショップや啓発活動を実施しています。
©THE HALO TRUST
地雷除去の作業を行う地雷除去専門団体「ヘイロートラスト」のスタッフ
1999年以降、英国の地雷除去専門団体ヘイロートラストを通じて、地雷・不発弾の除去活動を支援しています。2020年3月末までに約2,667万㎡(東京ドーム570個分)の土地の安全を確保し、除去した地雷は5,286個、不発弾は2万2,797個に上ります。
2002年〜2008年
理学療法クリニックを
開設・運営
障がいのあるアフガニスタン人が理学療法を受けられるよう活動。約3万2,000人に治療を実施。
2014年
水害被害者支援
洪水・地すべりにより125,000人以上が被災。被災地で蚊帳や衛生用品などを配付。
2017年
アフガン帰還民への
支援
パキスタンからアフガニスタンに戻る帰還民のうち、特に脆弱な世帯に食料や生活物資を提供。
「地雷のことを
きちんと理解したい」
サフィさん(仮名/9歳)
14歳だった兄は誤って地雷に触れ、死んでしまいました。その頃、私は地雷とは何なのか、見慣れない危険物とはどんなものなのかまったく分かりませんでした。その後、AARの地雷回避教育の講習会に参加し、教わった内容を友だちや両親に積極的に伝えています。
「みんなと一緒に
学べるようになったよ」
アランくん(仮名/12歳)
以前の学校は車いすで通うには不便な場所で、通学を続けられませんでした。でも、今では特別な補習クラスに入り、車いす用のトイレやスロープもできたので、勉強を妨げるものはありません。いろいろな障がいのある生徒が学校にいます。僕たち障がい児と他の生徒との間に違いを感じなくなりました。みんなと一緒に学べて幸せです。