タジキスタン Tajikistan

タジキスタンは中央アジアの内陸国で、1991年の旧ソ連崩壊に伴って独立しました。
国民の大多数はイスラム教徒です。農業(綿花)が盛んな一方、
ロシアへの出稼ぎ労働者が経済を支えていますが、
1990年代の内戦の影響もあって経済開発は遅れています。

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タジキスタンの基本情報

面積 約14万3,100平方キロメートル(日本の約40%)
人口 1,000万人(2022年:国連人口基金)
首都 ドゥシャンベ
民族 タジク系(84.3%)、ウズベク系(12.2%)、キルギス系(0.8%)、ロシア系(0.5%)、その他(2.2%)
言語 公用語はタジク語。ロシア語も広く使われている。
宗教 イスラム教スンニ派が最も優勢。パミール地方にはシーア派の一派であるイスマーイール派の信者も多い。
タジキスタンと周辺国の地図

※出典:外務省ホームページ

取り組む課題 Issues

国連は2006年に障害者権利条約を採択したものの、タジキスタンは批准に至っていません。障がい分野の国内法が整備されていないほか、「障がい児は寄宿制の特別支援学校で教育を受けるべきだ」という旧来の考え方が根強く残っています。障がいに対する差別や偏見もあり、障がい児の多くは家に閉じこもったまま、社会との接点を持てずにいます。

  • 40%
    以下

    障がい児のうち学校にアクセス
    できているのは40%以下、そのうち68%
    は寄宿舎学校に通っている ※1

  • 0.35%

    首都ドゥシャンベの
    教員養成大学では障がいのある学生は
    全学生のうちわずか約0.35% ※2

  • 車いす利用者をはじめ
    障がい者の通学に必要な環境が整った
    高等教育機関はない ※3

参照
※1 https://www.tj.undp.org/content/tajikistan/en/home/presscenter/speeches/2019/12/high-level-international-disability-forum.html
※2,3 AAR調べ
アイコン
Ocha Humanitarian iconsを使用・加工

活動 Activity

子どもたちが
学校でともに学べるように

教室で机に向かって勉強をする障がいを持った子ども2人の様子。その隣では女性二人が勉強の様子を見守っている写真

AARが設置した学習支援室に通い勉強する子どたち

障がいの有無に関わらず、子どもたちが個々の特性やニーズに応じた配慮を受けながら一緒に学ぶインクルーシブ教育を、推進しています。教員養成大学では、インクルーシブ教育に精通した大学教員を養成しています。

障がいのある女性の
経済的な自立を促進

女性が毛糸を使って編み物をしている

縫製技術のトレーニングを受ける女性

障がいのある女性は就業が難しく、貧困に陥りやすい傾向にあります。そのため、障がいのある女性とその家族を対象に、縫製技術研修を通じた就労支援を実施しています。また、障がい者に対して「家にいるべきだ」「何もできない」といった偏見があることから、研修の受講者の作品展示会を開催し、地域住民の理解促進を図ります。

これまでの主な活動

  • 2001年

    アフガニスタン難民
    緊急支援

    20人弱のアフガニスタン難民の子どもたち AARのスタッフも子どもたちの集合写真

    アフガニスタン・タジキスタン国境に逃れてきたアフガニスタン難民への食料配付支援を実施。

  • 2010年~2011年

    障がい当事者団体への
    能力強化支援

    ミシンを使った裁縫の仕方を教わっている女性二人とそれを指導する女性の写真

    障がい当事者組織の施設を整備し、職業訓練コース、障がい者ケア講習、社会福祉セミナーなどを開催。

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  • 2011年~2012年

    車いすの製造・配付強化

    障がいのある男児が他の生徒と一緒に学校で授業を受ける様子

    車いすの普及率を上げるため、国内で唯一の車いす工房を支援。個々の障がいや利用環境に合わせた車いすを製造。

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声・ストーリー Voice & Story

タジキスタンからの声

  • 障がいのある男児が他の生徒と一緒に学校で授業を受ける様子

    「読み書きは、未来への
    希望を
    持たせてくれます」

    ファフリディンくん(12歳)

    息子は脳性まひにより手足が不自由で、通学を諦めていました。しかし、AARの支援で、今では元気に学校に通えるようになり、友だちもできました。私たち家族はいつまでも息子のそばにいられません。だから、彼には一人で生きていける力を持っていてほしいです。読み書きができるというのは、未来への希望を持たせてくれるものです。(両親へのインタビューより)

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  • 教科書を読んでいる女の子の写真

    「通学をあきらめたく
    ありませんでした」

    ヌルボヌちゃん(7歳)

    ヌルボヌが学校に通い始めた頃は誰とも話せず、私がいなければいつもパニック障がいを起こしていました。でも、AARが支援してくれた学習支援室に通い、娘に合った教育のサポートを受けたことで、とても成長しました。ペンも持てなかった娘が、今は私のサポートなしに一人で通常学級に通っています。 友だちもたくさんできて、休み時間に一緒に遊べるようになりました。(両親へのインタビューより)

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