
活動レポート
障がい児教育を担う教員を応援しています:タジキスタン
2022年1月5日
タジキスタンは中央アジアの内陸国で、1991年の旧ソ連崩壊に伴って独立しました。
国民の大多数はイスラム教徒です。農業(綿花)が盛んな一方、
ロシアへの出稼ぎ労働者が経済を支えていますが、
1990年代の内戦の影響もあって経済開発は遅れています。
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面積 | 約14万3,100平方キロメートル(日本の約40%) |
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人口 | 1,000万人(2022年:国連人口基金) |
首都 | ドゥシャンベ |
民族 | タジク系(84.3%)、ウズベク系(12.2%)、キルギス系(0.8%)、ロシア系(0.5%)、その他(2.2%) |
言語 | 公用語はタジク語。ロシア語も広く使われている。 |
宗教 | イスラム教スンニ派が最も優勢。パミール地方にはシーア派の一派であるイスマーイール派の信者も多い。 |
※出典:外務省ホームページ
国連は2006年に障害者権利条約を採択したものの、タジキスタンは批准に至っていません。障がい分野の国内法が整備されていないほか、「障がい児は寄宿制の特別支援学校で教育を受けるべきだ」という旧来の考え方が根強く残っています。障がいに対する差別や偏見もあり、障がい児の多くは家に閉じこもったまま、社会との接点を持てずにいます。
40%
以下
障がい児のうち学校にアクセス
できているのは40%以下、そのうち68%
は寄宿舎学校に通っている ※1
0.35%
首都ドゥシャンベの
教員養成大学では障がいのある学生は
全学生のうちわずか約0.35% ※2
車いす利用者をはじめ
障がい者の通学に必要な環境が整った
高等教育機関はない ※3
AARが設置した学習支援室に通い勉強する子どたち
障がいの有無に関わらず、子どもたちが個々の特性やニーズに応じた配慮を受けながら一緒に学ぶインクルーシブ教育を、推進しています。教員養成大学では、インクルーシブ教育に精通した大学教員を養成しています。
縫製技術のトレーニングを受ける女性
障がいのある女性は就業が難しく、貧困に陥りやすい傾向にあります。そのため、障がいのある女性とその家族を対象に、縫製技術研修を通じた就労支援を実施しています。また、障がい者に対して「家にいるべきだ」「何もできない」といった偏見があることから、研修の受講者の作品展示会を開催し、地域住民の理解促進を図ります。
「読み書きは、未来への
希望を
持たせてくれます」
ファフリディンくん(12歳)
息子は脳性まひにより手足が不自由で、通学を諦めていました。しかし、AARの支援で、今では元気に学校に通えるようになり、友だちもできました。私たち家族はいつまでも息子のそばにいられません。だから、彼には一人で生きていける力を持っていてほしいです。読み書きができるというのは、未来への希望を持たせてくれるものです。(両親へのインタビューより)
「通学をあきらめたく
ありませんでした」
ヌルボヌちゃん(7歳)
ヌルボヌが学校に通い始めた頃は誰とも話せず、私がいなければいつもパニック障がいを起こしていました。でも、AARが支援してくれた学習支援室に通い、娘に合った教育のサポートを受けたことで、とても成長しました。ペンも持てなかった娘が、今は私のサポートなしに一人で通常学級に通っています。 友だちもたくさんできて、休み時間に一緒に遊べるようになりました。(両親へのインタビューより)