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活動レポート
すべての子どもが笑顔で学べるように:タジキスタン・インクルーシブ教育
2025年7月16日
タジキスタンは中央アジアの内陸国で、1991年の旧ソ連崩壊に伴って独立しました。
国民の大多数はイスラム教徒です。農業(綿花)が盛んな一方、
ロシアへの出稼ぎ労働者が経済を支えていますが、
1990年代の内戦の影響もあって経済開発は遅れています。
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面積 | 約14万2,600平方キロメートル(日本の約40%)(出典:UN data) |
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人口 | 1,030万人(2024年:国連人口基金) |
首都 | ドゥシャンベ(Dushanbe) |
民族 | タジク系(84.3%)、ウズベク系(12.2%)、キルギス系(0.8%)、ロシア系(0.5%)、その他(2.2%)(タジキスタン共和国大統領府付属統計庁) |
言語 | 公用語はタジク語(イランのペルシア語やアフガニスタンのダリー語などとともにイラン語派の西方方言群に属する)。ロシア語も広く使われている。 |
宗教 | イスラム教スンニ派が最も優勢。パミール地方にはシーア派の一派であるイスマーイール派の信者も多い。 |
※出典:外務省ホームページ
タジキスタンでは、国連が2006年に採択した障害者権利条約の批准に至っていません。障がい分野の国内法が整備されていないことに加え、障がいに対する差別や偏見が根強く残っています。特に、障がいのある女性は就業が難しく、貧困に陥りやすい傾向にあります。
10%
障がい者の就労率は10%未満※
縫製技術のトレーニングを受ける女性
障がいのある女性とその家族を対象に、縫製技術研修を通じた就労支援を実施しています。また、障がい者に対して「家にいるべきだ」「何もできない」といった偏見があることから、研修の受講者の作品展示会を開催し、地域住民の理解促進を図ります。さらに、就労準備講座の提供や、相談支援体制を構築するために職業訓練校の建設も進めています。
「読み書きは、未来への
希望を
持たせてくれます」
ファフリディンくん(12歳)
息子は脳性まひにより手足が不自由で、通学を諦めていました。しかし、AARの支援で、今では元気に学校に通えるようになり、友だちもできました。私たち家族はいつまでも息子のそばにいられません。だから、彼には一人で生きていける力を持っていてほしいです。読み書きができるというのは、未来への希望を持たせてくれるものです。(両親へのインタビューより)
「人生が変わりました」
ニショナさん
先天性の聴覚障がいがあり、学校には通っていませんでした。家族以外とほとんど関わることがなく自宅で家事をして過ごしていましたが、AARの職業訓練に参加し、終了後に開業しました。訓練では、私とコミュニケーションを取るために手話を覚えてくれた友だちもいました。 今は固定客ができ収入も得られて幸せです。