活動レポート Report

「早く家に帰りたい」変わらない厳しい現実:トルコ地震

2024年4月5日

段ボールを手渡しているAARスタッフ

被災者の女性に衛生用品を手渡すAAR職員(左)=トルコ南東部カフラマンマラシュ県で2024年3月7日

トルコ南東部で昨年2月に発生した大地震から1年2カ月。被災地では未だに約78万人が避難生活を送り、そのうち約45%は政府が設営した「公式キャンプ」ではなく、空き地や自宅の敷地などに自分たちで設けた「非公式キャンプ」で生活していると言われます。AAR Japan[難民を助ける会]は発災直後に緊急支援を開始し、現在は被災者の生活環境の改善に向けて支援活動を続けています。東京事務局のガウシーモジバが報告します。

長引く避難生活を支える

コンテナの上に立ってシートの状態を確認するAARスタッフ

被災者が暮らすコンテナの大きさや形に合った雨除けシートを設置=アディヤマン県で2023年11月

被災地では「住宅用コンテナの雨漏りに困っている」「冬服がないので冬を越せるか心配」「洗剤や石けんなどの衛生用品が足りない」など、被災者からさまざまな声が寄せられてきました。AARは2023年秋から2024年春にかけて、変化する被災者のニーズに合わせてコンテナ用の雨除けシート1,600枚、冬服と靴のセット1,028世帯分、衛生用品セット(洗剤、歯ブラシ、生理用品など)5,992世帯分を配付しました。冬用の服と靴は事前に個々の被災者に合うサイズを確認してから届けました。

コートを手渡すAAR職員

冬服と靴を手渡すAAR職員=アディヤマン県で2024年1月11日

歯磨きや洗剤などが並んでいる

被災者に配付する衛生用品を確認するAAR職員=アディヤマン県で2024年3月13日

「以前の暮らしに戻りたい」

支援物資を届ける際、AAR職員は被災者とのコミュニケーションを大切にしています。会話の中で生活について尋ねると、被災地の現状や今の気持ちを表す言葉が返ってきました。

「地震から1年以上経ちましたが、ご覧の通り、未だテントやコンテナでの避難生活が続いています。復興が進んだ場所もあると聞きますが、私たちの生活は苦しいままです」「余震も度々起きます。つい先日も感じました。余震があると地震発生当時のことを思い出してしまい、よく眠れなくなったり、子どもが泣き叫んだりすることもあります」「早く以前の暮らしに戻りたい。私の家に帰りたいです」。

AAR職員と話す被災者の女性たち=カフラマンマラシュ県で2024年3月7日

AARが主に活動している非公式キャンプは、山間部に村々が点在するなど支援が届きにくい状況にあります。被災者は夏の厳しい暑さ、冬の凍るような寒さの中で、避難生活を余儀なくされてきました。その過酷な状況は今も変わっておらず、今年1月に起きた能登半島地震の被災地の姿とも重なります。

AARは今後も被災者の声に耳を傾け、皆さまから寄せられた温かいお気持ちをより多くの人々に届けられるよう活動を続けてまいります。引き続き、AARのトルコ地震被災者支援へのお力添えをよろしくお願い申し上げます。

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ガウシーモジバGHAUSSI Mojiba東京事務局

国際NGOでのインターン・勤務を経て2022年にAAR入職。アフガニスタン支援、日本国内避難民支援など担当。2023年8月よりトルコで地震被災者支援に従事

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