
東京事務局
野際 紗綾子
東京事務局
野際 紗綾子
2005年4月より東京事務所でアジア事業を担当。大学卒業後、外資系の金融機関で勤務後、難民を助ける会へ。大学院では国際環境協力を専攻。ミャンマーサイクロン(2008年)、スマトラ沖大地震(2009年)、パキスタン洪水(2010年)の緊急支援も担当。(東京都出身)
記事掲載時のプロフィールです
2010年10月13日、難民を助ける会東京事務局の野際紗綾子が、立命館大学(京都府)の国際公共フォーラムで、「途上国における災害緊急支援の現場から-国際NGOの役割と私たちにできること」と題した講演を行いました。立命館大学の2年生~4年生約150人が参加してくださいました。
野際紗綾子(右)の話に、熱心に耳を傾ける立命館大学の皆さま(写真提供:立命館大学)
講演の内容は以下の流れで、自己紹介にはじまり、緊急援助に関わる世界と日本の動きを説明した後に、難民を助ける会のパキスタンにおける洪水被災者支援の現場の話をもとに、今後の展望と課題について話しました。
1)自己紹介
2)緊急援助とは
3)日本の緊急援助
4)難民を助ける会の緊急援助 ~ 2010年パキスタン洪水被災者支援の現場から
5)今後の展望と課題 ~ 複雑極まりない世界の中で、私たちにできること
講演終了後の質疑応答の様子。どれも鋭い質問ばかりでした(写真提供:立命館大学)
自己紹介では、私がNGOで働くきっかけからお話ししました。私は以前、外資系金融機関で勤務していましたが、25歳の誕生日である2001年9月11日にアメリカ同時多発テロ事件が発生。それを機に、世界貿易センターが象徴する「富」の対極にある「貧困」についての問題意識が強まり、難民を助ける会に転職しました。その後、パキスタンなど緊急支援の現場に入り、活動したことを話しました。これについては、その後学生の皆さまから「NGOで働くという生き方の選択肢もあるんだと知った」という感想も多くいただきました。
続いて、緊急援助についての説明の際は、「被災者の人種、信条、あるいは国籍にかかわりなく、どのような差別もなく援助を行う」ことや、「政府の外交政策の道具として行動しないよう努力する」、「文化や慣習を尊重する」などの倫理規定(『国際赤十字・赤新月運動および災害救援を行う救援機関のための行動規範』より)について話しました。その後、世界と日本における緊急援助の枠組みの概要を説明した上で、難民を助ける会のパキスタンにおける緊急援助についての説明を、現場の写真を用いながら行いました。
最後に、学生の皆さまと国際協力のため「私たちにできること」について、学生の皆さまとともに考えました。
1.知る:ただ情報を得るのではなく、批判的な目で物ごとを捉える力を養う
2.動く:ただ参加するのではなく、強い使命感と目的を持って、活動を改善する
3. できること:
私から1と2を提案した上で、3つ目の「できること」は、学生の皆さまに考えていただきました。
すると、以下のような様々な感想が寄せられました。
学生の皆さまのメッセージからは、真摯な思いがひしひしと伝わってきました。また、これから国際協力を推進していく上で、未来を創っていこうという学生の皆さまの前向きな姿勢に触れ、とても心強く感じました。講演を行った私自身が多くのことを学ばせていただき、感謝しています。
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