スーダン ハルツーム事務所
瀬戸 寛
スーダン:ナイル川の水辺で暮らす人々
2011年3月よりスーダン駐在。メーカー勤務後、パラグアイで青年海外協力隊として活動し、その後難民を助ける会へ。趣味はサッカー。(兵庫県出身)
記事掲載時のプロフィールです
難民を助ける会はスーダンで地雷回避教育活動を続けています。2011年8月から、新たにスーダン中部のコスティで活動を開始しました。世界最長の川、ナイル川は、スーダンの首都ハルツーム、コスティ、そして今年7月に生まれた新国家、南スーダンの首都ジュバを貫いて流れています。ナイル川のほとり、コスティの人々の暮らしを、瀬戸寛駐在員がご紹介します。
ナイル川で水浴び!?
世界一長い川、ナイル川。この川には2つの源流があり、それぞれその水の色から「白ナイル」「青ナイル」と呼ばれています。白ナイルは南北スーダンをほぼ縦断するように流れていて、スーダンの首都ハルツームで青ナイルと合流した後、エジプトを抜けて地中海に流れ込んでいます。難民を助ける会が新たに地雷回避教育を開始した町「コスティ」は、スーダン中部、白ナイルのほとりに位置する、緑が豊富な素敵な町です。
コスティに住む人々と白ナイルは、切っても切れない関係にあります。白ナイルは豊富な水産資源を提供してくれるだけでなく、飲料水、農業用水としても利用され、その水辺は洗濯場、洗車場、ときにはプールにもなります。
白ナイル沿いの土手は、運動不足気味な私のお気に入りの散歩コースです。外国人があまり住んでいないこの町では、私が散歩をしていると、外国人を珍しがって子どもたちが集まってきて、写真撮影が始まります。元気な子どもたちは、「一緒に水浴びをしよう!」と誘ってくれるのですが、水着を用意していない私は、川に足を浸ける程度で勘弁してもらっています。川で泳ぎ、ときには釣りをして遊んでいる子どもたちには、いつも元気を分けてもらっています。
白ナイルは祖国に続く
子どもたちが元気に遊ぶのどかな風景の一方で、コスティの町から車で20分くらいの所には、南スーダンに向かうフェリーを待つ人々約14,000人が生活する帰還民キャンプがあります。南スーダンをルーツとする人々が、今年7月の南スーダン独立を受けて、祖国に向かう船を待っているのです。およそ週に1便のフェリーは、白ナイルを南に遡り、約2週間の船旅の後、南スーダンの首都ジュバに到着します。コスティのキャンプでテント生活をしながら祖国行きの船を待つ人々が、南スーダンで地雷や不発弾の事故に遭うことなく、無事に新生活をスタートさせてほしい。そんな思いで、私たちは地雷回避教育活動を続けています。