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ミャンマー障害者のための職業訓練校 現在36名が勉強中です

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さまざまな工夫で就業・自立を支援

難民を助ける会では、最大都市ヤンゴン(ラングーン)で、2000年より、障害者のための職業訓練校を運営しています。現在、洋裁、理容・美容、コンピューターの3コースで、全国から集まった36名の訓練生が、約3ヵ月間の寮生活を送りながら、技術を習得しています。

訓練校では、技術習得のほか、毎朝「朝の講話」という時間を設け、チームワーク、リーダーシップ、貯蓄、障害に関する啓発などについて学びます。週に一度、訓練生がひとつのテーマで議論する時間もあります。集団生活や就労の経験がほとんどない訓練生にとって、こうした経験は、社会性を身につけ、社会の一員として独立するため、非常に役立ちます。また、寺院の清掃ボランティア、理容・美容コースの訓練生による出張カットなどを通じて、積極的に地域社会と関わり、障害者への理解を深める活動も行っています。

寮で食事を摂る訓練生たち

寮での食事の様子。朝食は訓練生が交代で作ります

朝の講話の様子

自ら障害があり訓練校の卒業生でもある職員のミャッ・モーが、朝の講話で「当事者団体の運営」について講義を行いました

卒業生の9割が習得した技術を活かして就労

卒業生の多くは、故郷に戻って開業や就職をしますが、さらに技術を磨きながら店舗経営の経験を積みたい卒業生のために、洋裁と理容・美容コースでは、モデルショップも運営しています。ここでは、実際の店舗と同様に、お客さんからの注文を受け、実践を通して、接客や会計についても学んでいます。

訓練校では、毎月卒業生の進路調査を行っています。6月に訪問した15名の卒業生のうち、9名が開業、4名が就職、1名がコンピューターの家庭教師をしており、計14名が訓練校やモデルショップで習得した技術を活かして就業していました。毎月の調査でも、ほぼ同様の結果が出ています。訓練校では、これまでに937人が卒業しています。

熱心にミシンを動かす訓練生とそれに見入る他の生徒

自宅で簡単に開業できるため、洋裁コースは男女問わず人気です

卒業生を訪問した東京事務局の林と園田

自宅で開業した洋裁コースの卒業生セン・アウンさん(右)を東京事務局の林早苗(中央)と園田知子(左)が訪問

理容・美容コースのポー・トゥーさん(30才)
左手の肘にクシを巻きつけてカットするポーさん

生まれつき、左腕の肘下と左足がありません。経済的に自立するために、この職業訓練校に入学しました。卒業後は、まず故郷に小さな理髪店を開き、お金を貯め、将来はその理髪店を有名な美容サロンに拡大したいです!左腕の肘下がないくても、髪をカットできるよう、訓練校の講師が柄の長いクシを腕に巻きつける工夫を発案してくれました。

【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

東京事務局 林早苗

2010年6月より東京事務局で主にミャンマー(ビルマ)事業を担当。大学卒業後、民間企業に勤務。その後、英国の大学院で人類学を学び、国際機関勤務などを経て難民を助ける会へ。主にミャンマーやスリランカの事業を担当(栃木県出身)

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