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南スーダン緊急支援:難民キャンプに給水施設が完成

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昨年末より戦闘の続く南スーダンを逃れ、隣国ケニアのカクマ難民キャンプに避難してきた人々は約38,000人に上ります(6月11日時点、UNHCR<国連難民高等弁務官事務所>)。AARは今年2月よりカクマ難民キャンプで調査、支援を行っています。現地で活動する、南スーダン事務所駐在員・土川大城からの報告です。

安全な水をキャンプに届ける給水パイプを敷設

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降り続いた雨で道路がぬかるみ、キャンプの手前で立ち往生してしまった給水車(2014年3月19日)

カクマはとても暑く、日中の気温は40度を超えます。毎日砂嵐が吹き荒れ、飲み水や、子どもたちの目に入った砂をすすぐ水など、生活用水が圧倒的に不足しています。国連機関は給水車でキャンプ内に水を届けていますが、大雨が降り続くと路面状態が悪化し、給水車がキャンプまで辿りつけなくなることもあります。このため安全な水が足りなくなって、地面に溜まった水を飲まざるを得なくなるなど、衛生状態の悪化も懸念されていました。

そこでAARは国連機関やほかの国際NGOとも協力して、安全な水を安定して供給するための給水システムを設置しました。AARはキャンプの北東に位置する井戸とキャンプ内の給水塔を繋ぐ、全長約4.8キロの給水パイプの敷設を担当しました。この給水システムにより、道が悪く給水車がキャンプに入れないときでも、1日50万リットルもの水を供給できるようになりました。

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パイプを敷設するための溝を掘ります。地元の方々も作業に参加してくれました(2014年5月18日)

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直径11センチほどのパイプを一本一本協力してつないでいきます(2014年5月11日)

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給水パイプ開通式にて、UNHCRカクマ事務所長のギルマ氏と一緒にバルブを開ける南スーダン駐在員の土川大城(2014年5月29日)

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開通式には、難民キャンプで暮らす子どもたちも大勢集まりました(2014年5月29日)

この支援により、1日一人当たり10リットル以下の水しか得られなかった方々が、毎日平均18.7リットルの水を手に入れられるようになりました。皆さまのご支援に心より御礼申し上げます。

※この活動は、皆さまからのご寄付に加え、ジャパン・プラットフォームの助成を受けて実施しています。

募金にご協力をお願いします

南スーダンの情勢は先が見えず、今も支援が圧倒的に足りていません。引き続き、皆さまのご協力をどうぞよろしくお願いいたします。

7/2(水)独立から3年 南スーダン駐在員帰国報告会

元AAR南スーダン駐在員(現・東京事務局員)の梅田直希と、ジャーナリストの中坪央暁氏(国際開発ジャーナル社)氏による活動報告会を開催します。参加希望の方はお早めにお申し込みをお願いします。

【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

南スーダン事務所駐在 土川 大城(つちかわ だいじょう)

2012年10月より東京事務局でケニア事業、南スーダン事業を担当。2013年4月より駐在員として南スーダンで井戸掘削事業、ケニアのカクマ難民キャンプでの支援を担当

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