東京事務局
吉澤 有紀
ミャンマー(ビルマ)サイクロン被災者支援の活動報告会を開催しました
記事掲載時のプロフィールです
8月5日(木)、難民を助ける会事務所3階にて、ミャンマー(ビルマ)活動報告会「サイクロン被災から2年...ミャンマーの今」を開催しました。2008年5月に大型サイクロンがミャンマーを襲い、多くの命に加え、残された人々の家や食糧、生計を立てるための家畜や道具、生きる希望、すべてを奪いました。そのミャンマーで、被災した人々とともに生活再建に向けて奮闘している駐在員・久保田和美が、現地での活動について報告しました。
当日は、約15名の方にご参加いただきました。
村に根付く仕組み作りを目指して
生活再建支援活動にとって重要な3つの要素として、サイクロン災害により失った農業や漁業のための肥料や道具などを配付する「農業・漁業・家畜支援」、海水に浸った土壌の回復や収穫高の向上につなげるための「技術研修」に加え、支援を生かし生計再建につなげる主役として「被災者の参加」が挙げられました。
被災者参加の1つの例が、「家畜銀行」というユニークな取り組み。支援により配られた豚やアヒルなどが生んだ子豚やひながこの銀行に預けられ、銀行から生活の苦しい他の家族へ渡されるという仕組みです。このような取り組みを進める中で発生する問題に対応したり、村人の代表として積極的に努力を呼びかけていく、 「村落開発委員会」の活躍も紹介されました。
自分だけでなく、村人みんなのために
サイクロンにより人々は収入源のすべてをなくし、発生から2年が過ぎた現在でも苦しい生活を強いられています。そのような中、自分の家畜を家畜銀行を通して他の家族へ届けるるために、一生懸命世話する人や、村人みんなの生活再建のために村落開発委員として奮闘する人。このような現地の人々の苦悩の中の力強さが伝わってくる報告会でした。
参加者の皆さんからは、「生活再建支援が物資的支援にとどまらず、循環性・波及性を十分留意した活動に共感した」「家畜銀行という仕組みはユニークで効果的なものという印象を受けました。村落開発委員会との連携の下、着実に支援の効果がでてきていると知り、良かった」などの感想をいただきました。
報告会では、ホームページや会報ではお伝えしきれない現地の様子や、駐在員・現地の人々の思いをお伝えしていきます。今後もぜひお越しください。