活動レポート
隣国モルドバで故郷を想う日々:ウクライナ人道危機2年
2024年2月20日
©Yoshifumi Kawabata
モルドバはウクライナとルーマニアに挟まれた内陸国です。
1991年に旧ソ連から独立し、ヨーロッパの中では経済規模が比較的小さい国です。
ロシア軍によるウクライナ侵攻によって、多くのウクライナ難民が流入(通過)しました。
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面積 | 3万3,843平方キロメートル(九州よりやや小さい) |
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人口 | 264万人(2020年:モルドバ国家統計局。トランスニストリア地域の住民を除く) |
首都 | キシナウ |
民族 | モルドバ(ルーマニア系)人(75.1%)、ウクライナ人(6.6%)、ロシア人(4.1%)、ガガウス(トルコ系)人(4.6%)等(2014年:モルドバ国勢調査) |
言語 | 公用語はモルドバ(ルーマニア)語。ロシア語も一般に通用 |
宗教 | キリスト教(正教)など |
※出典:外務省ホームページ
2022年2月、ロシア軍がウクライナへの軍事侵攻を開始し、50万人を超える難民がモルドバに流入しました。その多くはモルドバを通過して他の国に避難していますが、経済的な理由などから約8万5千人の難民がモルドバに滞在しています※1。男性のウクライナからの出国が原則禁止されているため、難民のほとんどは女性や子どもたちです。他のヨーロッパ諸国と比べて経済的に貧しく人口も少ないモルドバにとって、大規模な難民の流入は大きな負担となっています。
50万人以上
流入した難民の数は50万人以上 ※1
難民と地元住民が交流するコミュニティセンターを開設し、現地協力団体とともに運営しています。社会福祉士が常駐し、避難して日が浅い難民世帯、ひとり親で子どもが多い家族、障がいや持病を持つ人々などからの相談を丁寧に聞いて、個別支援を継続的に提供しています。難民・地元住民双方の「憩いの場」としての役割も果たしています。
2022年~2023年
食料や日用品の配付
首都のキシナウ市内及び近郊にある数カ所の避難所で、温かい食事や食材を提供。また、洗濯機や冷蔵庫などの家電製品や家具、日用品なども配付しました。
2022年~2023年
心理社会的サポート
戦禍から逃れてきた母親や子どもたちの心のケアを目的として、安心できる場所や遊び場を提供しました。
©Yoshifumi Kawabata
「子どもたちの笑顔を見ると笑顔になれます」
スザンヌさん(35歳)
ウクライナの自宅から5キロほど離れた軍事施設が攻撃され、子どもたちのためにモルドバへの避難を決心しました。AARの食料支援がなかったら、町で恵んでもらうか、危険をおかしてウクライナに戻るかしかありませんでした。本当に感謝しています。支援してもらった遊び場で遊ぶ子どもたちの笑顔を見ると、母親たちも笑顔になれます。