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ボランティア紹介

もしも首都直下地震が発生したら…防災講座を開催

2023年9月11日

    9月は防災月間、そして今年は関東大震災から100年。この機に、AAR Japan[難民を助ける会]の活動を支えてくださっているボランティアの皆さんに、防災講座にご参加いただきました。防災士の資格を持つ東京事務局の堀尾麗華が講座の様子をお伝えします。


    首都直下地震は今後30年以内に70%の発生確率で起こると言われています。令和4年5月25日に東京都防災会議が公表した「首都直下地震等による東京の被害想定」報告書では、都内で最大規模の被害が想定される地震で、震度6強以上の範囲は区部の約6割に広がり、建物被害は194,431棟、死者は6,148人と想定されています。

    今回の講座では、災害時の食料備蓄について自分事としてとらえ行動することを目的とした「BOSAIカードX(クロス)カードで学ぶ栄養×防災」(著者:伊藤智、前田緑、舩木伸江、発行:神戸学院大学出版会)を使いました。

    机の上に置かれたカードを見ながら話すボランティア

    食材が描いてあるカードを眺めて食事メニューを考える皆さん

    冬の18時の在宅時に首都直下地震が発生し、ライフライン(電気、水道、ガス)が止まっている状況を想定しました。まず、1グループ2~4人に分かれて、「BOSAIカードX(クロス)」に書いてある食料カードの中から現在ご自宅にある食材を抜き出します。そして、そのカードを組み合わせて栄養バランスの良い食事メニューを3日分考えました。

    6人のボランティアが向かい合って話している

    ボランティアの皆さんは災害に備えてご自宅に食料などを備蓄されており、防災意識の高さに驚きました。また講座を通して、食料や調理をするための防災グッズの備蓄量はご家庭によってさまざまなことも分かりました。講座中は寒い冬にあたたかい食事をとるには? ライフラインが止まっている中で、生ものはいつまでに食べたらよいだろうか? など活発な意見交換がありました。

    参加者からは、「栄養のあるメニューを考えたが、実際に被災したら動揺したり疲れたりして、作る元気がないかもしれない」、「カセットボンベが無いと温かい食事の調理ができないことを痛感した。また、わずかな備蓄では3日間のメニューを考えることが難しかった」などの感想があり、講座を通して気づきがあったようです。

    AARは国内で災害が発生した時に緊急支援活動を行いますが、迅速に支援を届けられているのは、ご寄付のお願いや活動報告の発送作業などを担うボランティアの皆さんのお力添えがあってこそです。緊急時にまずはボランティアさんご自身が身を守れるように、これからも防災に関する情報をお伝えする機会を作っていきたいと思います。

    堀尾 麗華HORIO Reika東京事務局

    在ボツワナ日本国大使館、ユニセフネパール事務所で勤務後、2020年11月にAARに入職。英国の大学院で障がいと開発の修士号取得。タジキスタンでの駐在員を経て、東京事務局でミャンマー事業や国内災害支援に携わる

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