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スタッフ日記[国際協力の現場から]

2年ぶり開催!「でか山」が見せた能登の底力

2025年7月15日

色とりどりの幕を垂らした山車が練り歩いている

色とりどりの幕をなびかせ練り歩く「でか山」

能登半島地震の被災者支援の合間に、石川県七尾市で2年ぶりに開催された「青柏祭(せいはくさい)」に足を運びました。このお祭りは、毎年5月に五穀豊穣や地域の安寧を祈願して行われる、能登が誇る伝統行事です。

通称「でか山」と呼ばれる巨大な山車(だし)が町中を練り歩きます。祭りの醍醐味はなんといっても迫力満点の「辻廻し」。高さ12メートル、重さ20トンを超える巨大なでか山は直進しかできない構造のため、方向転換するには、てこの原理を使って数センチ浮かせて90度回すという熟練の技が必要です。

色とりどりの幕を垂らした山車が練り歩いている

「でか山」の迫力に観客も釘付け

大きな棒に数十人の曳(ひ)き手の男性が乗りながら、息の合った掛け声とともに少しずつ山車を回すその光景は、まさに職人芸。見物客から上がる大きな歓声からは、お祭りを再開できたことへの喜びと興奮が感じられました。地域の方にも後で「あの『辻廻し』を見てきたか?」と聞かれたので、やはり能登の人も見逃せない名場面なのだと思いました。

そしてこれから、いよいよ能登の夏! 能登の各地で夏から秋にかけて開催される「キリコ祭り」の季節がやってきます。大小さまざまな灯籠を掲げた神輿(みこし)が夜の街を練り歩きます。震災の影響で一時は中止や規模を縮小していた祭りも、今年は多くの地域で復活し、再び賑わいを取り戻しつつあります。お祭りを盛り上げる人々の熱気に元気をもらいながら、私も能登のために支援をつないでいきたいと、でか山の迫力を前に強く思いました。

夏の夜道を、高さ4~5メートルの燈籠を載せた台車が動いている

石川県珠洲市で行われる「寺家キリコ祭り」=写真提供:石川県観光連盟

櫻井 佑樹SAKURAI Yuki東京事務局 支援事業部

民間財団勤務の後、英国の大学院で平和学を学ぶ。2012年AAR入職。ザンビア、タジキスタン駐在を経て、国内災害支援、「ストップ・キラーロボット・キャンペーン」などを担当。

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