
手刺繍が施された色鮮やかな布/同僚とシンを楽しむ鳫野(左)
ສະບາຍດີ!(サバイディー!:こんにちは!)。ラオスは、タイやベトナム、カンボジアなど5つの国と接する小さな国。知名度は高くありませんが、一度訪れると、たいていの人が虜になる魅力があります。私もそんなひとりで、数年前は名前も知らなかったこの国に、今では実家のような安心感を抱いています。
ラオスには、「シン」と呼ばれる伝統的な衣装があります。機織り機で一つひとつ丁寧に折られた布を、自分の体のサイズに合わせて仕立てる「巻きスカート」で、カジュアルな場はもちろん、職場などでも着ることができます。手織布の一点もので、同じものを見かけることはほぼありません。お店で気になった布を「明日買いに来よう」と思っても、翌日にはなくなっていることがほとんど。シンを買うときは「一期一会」なのです。

市場に並ぶ、シンに仕立てる前の布

自然な色合いで染められた木綿糸
シンを仕立てる布は、蚕から糸を紡ぎ、丁寧に自然の色で染め上げられた高価なシルクのものや、お手軽なお値段で手に入るコットンのものなど、たくさん種類があります。色や模様も、ラオスに暮らす約50の民族ごとに異なり、心ときめく1枚に出会えると、とても幸せな気持ちになります。ビエンチャン事務所の同僚と、「どこのシン? とてもきれいだね~」と褒めあう毎朝。皆さんもラオスに来たら、ぜひその美しさを楽しんでください。

手織りシルクに施された、メコン川の守り神「ナーガ」の模様。ラオスならではの美しいデザインです

鳫野 由夏GANNO Yukaビエンチャン事務所駐在
日本で理学療法士として勤務後、JICA海外協力隊でラオスの国立リハビリセンターやパラリンピック委員会で障がい者スポーツ支援に従事。国際NGO勤務を経て、2025年3月AAR入職。8月よりラオス・ビエンチャン駐在



