特別インタビュー Interview

温かい炊き出し地元と民間の力で 冨成 寿明さん (輪島市町野町で「日本料理 富成」を営むシェフ)

2024年11月13日

輪島市町野町で「日本料理 富成」を営むシェフ 冨成 寿明さん

地震発生後、1月4日から7月末まで避難所で炊き出しを続けました。次のことを考え始めた矢先、町野町は死者3人を出す大雨に襲われました。炊き出しを復活し、10月末まで続けました。この1年、それまでの人生よりも多くの涙を流しました。

でも、AARを含め全国から支援をいただき、悪い事ばかりではなかったと、自分を励ましています。

地震発生時には妻子と七尾市の商業施設にいました。車中で一泊し、家族を妻の実家の大阪に送り届け、発電機などを調達して3日早朝、輪島に向かいました。大渋滞のうえ、最後の5キロはがけ崩れで通行できず、深夜に歩いて帰宅しました。

炊き出しは多い時で朝晩450食を用意しました。お弁当も有難いですが、栄養も偏るし、温かいものは何より力になる。地元の料理人仲間4人で協力し、大きな避難所を拠点に、小さな避難所でも炊き出しできる体制を作りました。民間ならではの、臨機応変さを発揮できたと思います。

AARの支援と協力で、一般社団法人日本サステイナブル・レストラン協会が実現させた人件費の支援は、本当に役立ちました。生活のために料理人が地元を離れてしまえば、炊き出しもできない。この仕組みを今後の災害で活かせるよう提言していくつもりです。

テントの中で、数人のボランティアが、鍋にふたをするなど炊き出しの準備をしている。

避難所での炊き出し準備を行う冨成さん(右)とボランティア =2024年5月、石川県輪島市で


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