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出入国管理及び難民認定法改正案と難民を助ける会の立場について

2023年5月18日

難民を助ける会 会 長 長 有紀枝
理事長 堀江 良彰

平素より難民を助ける会(AAR Japan)をご支援いただき、誠にありがとうございます。

現在国会で審議中の出入国管理及び難民認定法の改正案に対し、当会名誉会長の柳瀬房子(以下柳瀬)が衆議院法務委員会(2021年4月21日)で参考人として申し述べた意見、およびその後メディアの取材に応じて行った発言に関して、当会ホームページに「発言は法務省(出入国在留管理庁)難民審査参与員としての柳瀬個人の見解であり、当会を代表するものではありません」というお知らせを掲載いたしました。一連の発言が当会の総意ではないことを改めてお知らせしますとともに、会長・理事長として本件に関する当会の立場についてご説明いたします。

出入国在留管理庁のホームページで告知されている通り、当会の柳瀬は111名おられる難民審査参与員の一人です(2023年5月16日現在)*
ただし、参与員としての柳瀬の活動は当会とは一切関係なく、柳瀬が個人の資格で行っているものです。関連した発言も、難民を助ける会の活動ではなく、ひとえに難民参与員としての審査経験に基づくものであり、審査の実態・実例は守秘義務の点からも当会には報告されていません。

* 出入国在留管理庁 難民審査参与員一覧

柳瀬の発言を機に、本件に対する「難民を助ける会」としての考え方について、当会支援者や報道関係者の方々からお尋ねをいただいております。しかしながら、今回の審議について、難民を助ける会として意見を述べることは差し控えさせていただきます。それは、私たちがこの重大な問題に無関心であるからではなく、「難民支援」活動には関与しているものの、「難民認定」作業には一切関与しておらず、誠に恥ずかしながら、責任をもって発言するだけの専門的知見を有していないからに他なりません。

当会職員はアジア・欧州・中東・アフリカそれぞれの現場で、難民・国内避難民の人々に寄り添い、支援活動に日々真摯に取り組んでおります。そうした活動は多くの皆様のご理解・ご支援によって成り立っています。

難民を助ける会は1979年、創設者である相馬雪香が当時、大きな社会問題となっていたインドシナ難民の受け入れのために会を立ち上げるとともに、日本の難民条約加入を政府に積極的に働きかけた経緯があります。そして、実際に多くのインドシナ難民の教育・就労支援など日本社会での定住をサポートしてきました。

その後、海外での難民支援は「難民を助ける会」が、国内での難民支援は姉妹団体が行うこととして組織を分け、今日に至っています。難民を助ける会は2022年のウクライナ危機以降、来日難民・避難民への緊急一時金支給などの支援を行っていますが、難民認定作業には関与しておらず、その点については経験に基づく知見がありません。

出入国管理及び難民認定法の改正案につきましては、外国人支援に長年関わり、その実態を熟知する支援者・団体の方々が今も熱心に意見を交わし、議論を重ねておられます。また多くの識者、報道関係、一般市民の方々がその輪に加わり、さらに議論を深めるために声を上げられています。そうした皆様のご努力に当会として心からの敬意を表します。

難民を助ける会の立場にご理解をいただき、今後ともご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。


2023年4月20日

入管法改正に関する当会名誉会長・柳瀬の発言について

平素よりAAR Japan[難民を助ける会]の活動にご理解・ご支援を賜り、誠にありがとうございます。

今般、当会名誉会長の柳瀬房子が「出入国管理及び難民認定法」(入管法)改正に関して、新聞・テレビなどのインタビューを受けました。その発言は法務省(出入国在留管理庁)難民審査参与員としての柳瀬個人の見解であり、当会を代表するものではありません。

当会はすべての難民・国内避難民に寄り添う立場で、引き続き支援活動に真摯に取り組んでまいります。皆さまのご理解をよろしくお願い申し上げます。

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