AAR東京事務局の経理部で、国際送金や海外事務所の会計管理などを担当。NGOならではの経理業務について聞きました。
経理部ではどのような仕事をしていますか?
14カ所あるAARの海外事務所への活動資金の送金や、海外の発注先に物品やサービスの購入費を支払う国際送金を行っています。また、各国から毎月届く会計報告の確認や取りまとめも担当しています。
国が多いと大変そうですね。
AARの活動国には送金が難しい地域も多く、無事に着金するかいつも気がかりです。また、会計業務では為替が絡んだり、複数の通貨で預り金などを清算したりする複雑な処理も多く発生します。
業務で大切にしていることは何ですか?
ご寄付や補助金で成り立つ団体として、正確で明確な会計は欠かせません。現地職員や駐在員が正しく業務を行えるよう、質問しやすい環境を整え、「かゆいところに手が届く」アドバイスを心がけています。
どうして国際協力の道へ?
人の人生は、生まれた場所や環境によって大きく左右されます。恵まれた国に生まれた自分が、困難な国に生きる人に対して何ができるだろうと考え、国際協力の仕事に関心を持ちました。大学院で途上国の政治について学び、中南米の日本大使館などに勤務した後、難民支援に関わりたいと思って2020年にAARに入りました。
ずっと経理畑で働いているのですか?
元々は、国際協力のもっと「現場」に近いところで働いていましたが、安定した組織や事業の運営には、適切な資金管理が重要だと実感するようになりました。一方で、途上国の中には、資金管理のノウハウが根付いていない国も多くあります。会計の力を向上させることで、途上国の人たちが、より自律的に安定した組織や事業運営ができるようにしたかったのです。そうした思いから、AARでは海外事務所の現地職員が経理業務を行う際のサポートにも力を入れています。
AARはどんな職場ですか?
熱心なボランティアさんがたくさんいることなど、歴史ある団体ならではの強みがあります。また、自分の意見や考えを素直に言いやすい職場だと思います。職員有志でご飯を炊いて一緒にお昼を食べる「おしゃもじクラブ」や、登山部、テニス部などの活動に参加するのも楽しいですね。