AAR Japan[難民を助ける会]は6月20~21日、「世界難民の日」(6月20日)に合わせて、徳島県内の小中学校2校で出前授業を行いました。当会の法人サポーターである徳島新聞社(池上治徳社長)との連携事業として実施したもので、AAR東京事務局兼関西担当(神戸駐在)の中坪央暁がウクライナ危機をはじめとする難民問題について、児童・生徒の皆さんに分かりやすくお話ししました。
■美馬市立木屋平小中学校
険しい四国山地の山間にたたずむ木屋平小中学校(重本哲也校長)は、小学生(2~5年)4人と中学生(3年)1人が学ぶ小中併設校。幼稚園もあって全員が家族のような学校です。20日の出前授業では、ロシアの軍事侵攻で避難を余儀なくされたウクライナ難民・国内避難民、ミャンマーを追われたロヒンギャ難民など、主に難民の子どもたちの写真をプロジェクターで映しながら、「難民の多くは皆さんと同じ子どもたち。世界中の誰もが仲良く平和に暮らすためには、どうすればいいか考えてみよう」と語りかけました。
児童・生徒全員と先生たちを交えた少人数の授業は和やかな雰囲気で進み、「戦争はどうして起きるのか」「難民の人たちと何語で話しているのか」などたくさんの質問が出ました。中学3年、原田みのりさんは「話を聞いて難民の人たちについて詳しく知ることができた。私たちに何ができるのか考えていきたい」と話してくれました。
■徳島県立城ノ内中等教育学校
吉野川がすぐ近くを流れる徳島市の城ノ内中等教育学校(横田恵理子校長)で21日、中学2年生140人の総合学習として、平和について考える授業を行いました。ウクライナ国内や隣国ポーランド、モルドバで撮影した動画・写真を使って、現地の様子や人々の声を紹介したほか、AARの人道支援活動を説明。「私たちと同じように生活していた普通の人々が、軍事侵攻によって何もかも失った。世界で今、何が起きているのかを新聞やニュースで勉強し、自分の立場に置き換えて考えてみてほしい」と呼びかけました。
生徒たちは今年9月、平和学習のための広島訪問を予定しています。質疑応答では次々に手が挙がり、生徒代表の市岡春花さんは「世界の難民が1億1,000万人超と日本の人口と同じくらいいること、ウクライナの戦争が2014年から続いていることを知って驚いた。難民問題を他人事ではなく自分事として考えたい」と感想を述べました。
AARは国際理解教育の出前授業(対面・オンライン)を全国で実施しています。どうぞお気軽にお問い合わせください。